2016年7月24日付の北國新聞に、鈴木大拙館の入館者数が20万人を突破したという記事が掲載されていました。
鈴木大拙館は2011年(平成23年)10月に、世界的な仏教思想家の故鈴木大拙氏を記念して生家跡の近くに建設されたミュージアムです。極力、何もない状態を創出するという斬新なコンセプトが特徴で、近年は日本的な“無”に興味を持つ外国人観光客に人気の観光スポットとなっています。
記念すべき20万人目となったのは、スロベニアから観光で訪れたボリス・シモンさん(59)で、木村宣彰館長から記念品が手渡されました。観光で金沢に来たというシモンさんは、禅の思想に興味があって鈴木大拙館を訪れたとのことで、「驚いたが20万人目になれてとても嬉しい」と笑顔を見せていたそうです。
木村館長は海外からの来館者が増えていることについて、「さらに大拙の思想を世界に発信したい」とコメントしました。
もしかすると正真正銘の20万人目なのかも
この記事は私にとってとても興味深い記事でした。私が興味を持ったのは節目の来館者が中年男性だったことです。
私はPR会社での勤務経験がありますが、通常、○○万人目という節目の来館者は女性か子供になります。なぜなら、女性や子供だと新聞に写真が載る確率が高くなるからです。
野球場やイベント会場では複数のゲートから次々に入場していきますので、一人ひとり数えることは物理的に不可能です。それで、どうするかと言いますと、主催者がゲート付近に待機して新聞で写真が掲載されそうな人を選ぶのです。
野球場であれば、ホームチームの帽子をかぶった小学校低学年の男の子、華やかなイベントであれば20歳前後のルックスの良い女性が選ばれます。その際、親子連れであれば子供が○○万人目でお父さんは○○万1人目に、カップルであれば彼女が○○万人目で彼氏が○○万1人目となります。
そうなりますと、次の日の新聞では記事とともに写真が掲載されるわけです。
鈴木大拙館の20万人目の来館者については写真が掲載されていませんでした。もしかすると、20万人目となった男性が写真撮影を断ったのかもしれませんが、中年男性だったので写真が掲載されなかったと考える方が自然です。
そこで導き出される結論は、鈴木大拙館については、正真正銘の20万人目の来館者だったのかもしれないということです。
鈴木大拙館では来館者に館内での注意事項を説明することから、一人ずつ入館受付を行ないますので、はっきりと20万人目に入館受付をした人を判明できるとも考えられます。もし本当に正真正銘の20万人目の来館者を特定したのであれば、鈴木大拙館はたいしたものです。
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北陸放送は鈴木大拙館への近道を開放すべき
鈴木大拙館は金沢の幹線道路のひとつの本多通りから路地に入り、3分ほどのところに位置していますが、金沢の人でも少しわかりにくい場所にあります。
海外から訪れる方にとっては、さらに分かりにくいことでしょう。海外旅行先では大通りから外れて路地に入って行くのはとても不安なものですよね。大袈裟ではなく命がけで路地に入ると言ってもいいくらいです。
実は、本多通り沿いに鈴木大拙館への近道があります。北陸放送(MRO)の社屋を通り抜けて松風閣庭園に出ると、鈴木大拙館に繋がっているのです。しかしながら、本多通りから松風閣庭園への通り抜けが禁止されていることから、観光で訪れる方はグルリと遠回りをしなければなりません。
私が直近で松風閣庭園と鈴木大拙館を訪れたのが5月2日のことですので、現在は通り抜けができるようになっているかもしれませんが、報道機関という立場にある会社が、当然のことのように通り抜けを禁止するというのはおかしいと思います。
ひとつ例を挙げましょう。尾張町大通り(百万石通り)沿いに柳宗理記念デザイン研究所という無料ミュージアムがあります。ここは大通りから建物の中を通り抜けると泉鏡花記念館に出るというロケーションにあります。そして、ここを通り抜けできないと記念館へは遠回りしなければなりません。
同研究所では、通り抜けを禁止するのではなく「泉鏡花記念館へは、こちらから通り抜けできます」という案内板を掲出しています。これこそが企業・団体の姿勢なのではないでしょうか。
北陸放送には松風閣庭園から鈴木大拙館への近道を開放することを求めます。
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