生活工芸ミュージアムの見どころ-石川県の伝統工芸の見本市

金沢の美術館・記念館#3

いしかわ生活工芸ミュージアムは、石川県の伝統工芸品をPRするミュージアムで、兼六園の小立野口に隣接しています。

小立野口は、兼六園の7つの料金所の中で最も高台に位置する料金所で、金沢城公園と直結する桂坂口や、金沢21世紀美術館の向かい側ある真弓坂口とは反対側に位置しています。

オープンは1984年(昭和59年)で、その前年までこの地にあった石川県立美術館の建物をそのまま活用しました。

2020年3月までは石川県立伝統産業工芸館という名称でしたが、2020年にすぐ近くに国立工芸館がオープンする際に、至近距離に工芸館が2つあると観光客の方が迷われてしまうとのことで「生活工芸ミュージアム」に名称が変更されました。

建築家・谷口吉郎氏の設計
生活工芸ミュージアムの展覧会
・企画展「未来を拓く 石川の工芸と和菓子の世界」(10/18~12/16)
・常設展示



吹き抜けのあるお洒落な内装

館内は1階がミュージアムショップ、2階が展示室となっています。かつて石川県立美術館だった建物だけあって、吹き抜けのあるお洒落な内装となっています。

2階の展示室では、国指定の伝統工芸品である「九谷焼」「加賀友禅」「輪島塗」「山中漆器」「金沢仏壇」「金沢箔」「七尾仏壇」「金沢漆器」「牛首紬」「加賀繍」の10業種をはじめ、計36業種の作品が展示されています。

36業種を衣・食・住・祈・遊・音・祭にカテゴリー分けし、それぞれを「衣を彩る美」「食を彩る美」と銘打って紹介しています。

館内のディスプレイも気が利いています

官民一体となったギャラリー

工芸品のミュージアムは機械的に作品を並べていくだけでは単調になってしまうのですが、生活工芸ミュージアムではメリハリを付けたディスプレイになっていますので退屈することはありません。

この工芸館では、過去の高名な伝統工芸作品を披露する展覧会ではなく、行政と民間が一体となっての、地元の工芸品の展示即売会といった方向性が前面に押し出されているのが特徴です。

常設展示されている工芸品のキャプションには販売価格がさりげなく表示されている他、1階の入口を入ったところでも石川県の工芸品の製造会社がパネルで紹介されています。

2階では36業種の伝統的工芸品が紹介されています

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ショップは工芸品店並みの品揃え

生活工芸ミュージアムの最大のセールスポイントはミュージアムショップが充実していることです。

石川県の伝統工芸品を積極的に販売しようという方向性もあってか、金沢市内のミュージアムの中でもトップクラスの品揃えで、九谷焼、金沢箔、加賀友禅、輪島塗、加賀水引などのアイテムが販売されています。

豊富な商品ラインナップは、ひがし茶屋街や長町武家屋敷跡のセレクトショップにも引けを取らないほどです。

ミュージアムショップへは無料で入場できますので、金沢観光の記念に地元の工芸品を買いたいと思われている方は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

写真左手がミュージアムショップです

生活工芸ミュージアムでは海外からの観光客の姿が目につきます。

1階ロビーの吹き抜けになった壁に大きな文字で記された「技」という漢字は、漢字に興味を持つ外国人の方にインパクトを与えているようです。また、展示室やミュージアムショップでは熱心に見入る姿が見られます。

吹き抜けの壁には「技」の文字が

兼六園の扁額

歴史がお好きな方にとっては、観覧ルートの最後に目にする「兼六園」の扁額も興味のあるところでしょう。

この扁額は、12代藩主・前田斉広(なりなが)が、奥州平泉藩主で幕府の老中を務めた松平定信に依頼して書かれたもので、兼六園という名称が世に出て最初といわれています。1822年(文政5年)のことです。

松平定信筆「兼六園」の扁額

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兼六園との連絡入場口があります

入場料については、2階の展示室へは18歳以上が260円、65歳以上が210円、17歳以下が100円で6歳未満は無料です。なお、1階のミュージアムショップは無料で入場できます。

1階の無料エリアと2階の有料エリアは自由に行き来できることから、入場料を払うと領収印が押されたリーフレットが渡されます。

生活工芸ミュージアムには兼六園との連絡入場口があります。兼六園への入園料は18歳以上が320円、17歳以下が100円で、65歳以上と6歳未満は無料です。逆に兼六園から生活工芸ミュージアムに入場することもできます。

兼六園からの直通入口もあります

写真撮影もokです

開館時間は午前9時から午後5時(入館は午後4時45分)で、休館日は4月~11月が毎月第3木曜日、12月~3月が毎週木曜日と年末年始です。なお、展示室内での写真撮影は基本的にはokですが、フラッシュ撮影は禁止されています。

生活工芸ミュージアムは成巽閣(せいそんかく)と隣接し、その先には金沢神社があります。道路の向こう側は本多の森と呼ばれる緑のオアシスです。石川県立能楽堂、いしかわ赤レンガミュージアム石川県立美術館なども見学されるといいでしょう。

洗練されたレイアウトが特徴です

利用案内

いしかわ生活工芸ミュージアム
せいかつこうげいミュージアム
住所:金沢市兼六町1-1
TEL076-262-2020
料金:一般 260円、65歳以上 210円、17歳以下 100円、6歳未満 無料
時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時45分まで)
休館:4月~11月 毎月第3木曜日、12月~3月 毎週木曜日、年末年始
撮影:基本的にOKも着物類へのフラッシュ撮影は禁止
生活工芸ミュージアムホームページ

最寄りのバス停
・金沢周遊バス、路線バス「広坂・21世紀美術館」徒歩8分
最寄りの観光名所
・兼六園(小立野口)近くに直通入口
行き方の参考ページ
兼六園への行き方

Guide
兼六園・金沢城周辺の16施設の共通券「文化の森おでかけパス」

生活工芸ミュージアムの周辺スポット

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

2016年5月16日