おまつの方が末娘に宛てた子や孫への思い
2017年7月11日付の北國新聞に、長町の前田土佐守家資料館で、初代藩主・前田利家の正室であった「おまつの方」の書状が展示されたという記事が掲載されていました。
この展示会は、芳春院没後400年記念特別展「芳春院まつの書状」のタイトルで始まったもので、初公開の1点を含む約50点の書状が一堂に公開され、子を思い、孫を案じる「百万石の母」の姿を伝えています。
初公開されたのは、まつ最晩年の書状で、なかなか進まない屋敷普請にやきもきしながら、孫娘の病状も気に掛け、「こんなことまで苦労の種に」と嘆く内容となっています。
書状は加賀藩の家臣家に嫁いだ末娘の「ちよ」宛で、同館の学芸員の方は北國新聞の取材に「気丈で知られるまつだが、老いた母が娘に愚痴をこぼしているようにも読める」とコメントしていました。
また、書状には、病床の長男で2代藩主の利長について「一目会ってから死にたい」、唯一の直系男孫である直之(前田土佐の守家2代当主)については、「坊(直之)はどうしてこんなに度々病気になるのか」と記されています。
記事では、母の叫びや、孫の健康を憂う心など、現代と変わらぬ女性の思いを伝えていると紹介されていました。
なお、芳春院没後400年記念特別展「芳春院まつの書状」は、11月12日(日)まで開催の予定です。

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400年前の書状なのに紙が白いまま
今回の展示会の主役である「おまつの方(芳春院)」は、大名家の奥方で、最初に江戸に人質として旅立った人物として知られ、現代の歴史家の間では、夫の利家を上回る評価を得ています。
前田土佐守家(まえだとさのかみけ)は、利家とまつの次男・前田利政を祖とする家系で、加賀藩の政務を取り仕切った加賀八家のひとつです。
代々、前田土佐守家は、辞令や個人書簡などの文書の保存に務めてきたことから、21世紀の現代でも損傷や散逸が少ないことが特長です。
このミュージアムが「前田土佐守家資料館」と名付けられているとおり、藩政期の状況を現代に伝える貴重な資料が展示されています。
北國新聞には、今回の特別展でお披露目された「まつ」の書状の写真が掲載されていましたが、400年前の書状が白い紙のまま残されています。
特に公的な文書の保存状態は信じられないほど良好ですので、歴史に興味のある人はもちろん、書道の心得のある方も大いに楽しめるのではないでしょうか。
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