金沢港に551日ぶりクルーズ船が寄港

2021年4月3日付の北國新聞に、金沢港に日本船籍最大のクルーズ船・飛鳥Ⅱが寄港したという記事が掲載されていました。クルーズ船の金沢港への入港は2019年9月29日以来、551日ぶりで、金沢港クルーズターミナル竣工後では初めてとなりました。

金沢港は豪華客船を間近で見ようと大勢の人で賑わい、ターミナルへの来館者数は過去最多の9,480人を記録しました。

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ターミナル竣工後で初めて

郵船クルーズが運航する飛鳥Ⅱは佐世保港発着の旅の途中で、4月2日の午前8時半ごろに無量寺埠頭に到着しました。乗客70人は谷本石川県知事や加賀友禅大使、ミス加賀友禅らの出迎えを受け、バスやタクシーで金沢観光や白川郷へ向かったそうです。

クルーズターミナルの展望デッキでは歓迎式典が行われ、谷本知事は、昨年予定していた全54本のクルーズ船の金沢寄港がコロナ禍で中止になったとし、「一日千秋の思い出待ち望んでいた」と述べました。

山野金沢市長も歓迎の言葉を述べ、金沢駅とターミナル周辺を結ぶシャトルバスを試験運行することを紹介しました。なお、飛鳥Ⅱは2日午後5時ごろに次の寄港地である舞鶴港へ向けて出発しました。

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金沢港いきいき魚市へは400m弱

2020年6月のオープン以来、1年間にわたって空き家状態が続いていた金沢港クルーズターミナルに観光客をお迎えできて、石川県や金沢市はひと安心でしょう。昨年6月のオープンも、振り返ると4月開業の予定がコロナ禍で2か月遅れてのものでした。

石川県では、2020年7月の東京オリンピックに合わせるように、金沢城公園と尾山神社を結ぶ鼠多門橋を復元し、東京から国立工芸館を誘致し、金沢港にターミナルを竣工しましたが、新型コロナウィルスによって思惑が完全に外れてしまいました。

それでも、鼠多門橋と国立工芸館については、秋のGOTOトラベルである程度は埋め合わせすることができました。

その一方で、クルーズターミナルでは、定期的にピアノやバイオリンによる「ベイサイドコンサート」を開催し、地元メディアでも積極的に報道されるなど盛り上げを図ってきましたが、入港するクルーズ船がゼロの状態ではどうにもなりませんでした。

金沢港クルーズターミナルは、クルーズ船の寄港が再開されたことで、何とかスタートを切ることができたという感じです。

観光客の方には、近江町市場よりも低価格ということで知名度が高まっている「金沢港いきいき魚市」へ、徒歩5分ほどで行けるのが魅力かもしれませんね。いきいき魚市は結構早い時間に売り切れますので、行かれる方は午前中が絶対にお奨めです。

ただ、クルーズターミナルが魅力的になる時間帯は夕方から夜だと思います。金沢周辺では海岸線が西に向いていますので夕陽が海に沈みます。海に沈む太陽は眩しくなく、肉眼で普通に眺めることができます。

夜になるとターミナル周辺がライトアップされますし、レストランもあります。なお、金沢港クルーズターミナルのオープン時間は午前9時～午後9時で、レストランは午前10時～午後9時（月曜日定休）です。

車以外でのアクセスは超不便です

今回の歓迎式典で金沢市長が、金沢駅とターミナル周辺を結ぶシャトルバスを運行すると発言しましたが、現状、金沢港へは公共交通機関が少なく、観光で行くには極めて不便です。多少お金がかかってもタクシーが一番確実です。

とはいえ、いきいき魚市にも行かれる方は、タクシー代を払ってしまうと近江町市場よりも安い意味がありませんよね。シャトルバスについては採算を度外視してどんどん走らせてほしいものです。

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金沢港へのクルーズ船の寄港実績

金沢港の公式ホームページによると、今年のクルーズ船の寄港予定は、飛鳥Ⅱが3本、ぱしふぃっくびいなすが1本、にっぽん丸が4本の計8本が予定されています。すべて日本船籍の船で、横浜港を経由する船は1隻もありません。

ちなみに、北陸新幹線が開業した2015年からの年間寄港数は以下のとおりです。

2015年 18本
2016年 26本
2017年 53本
2018年 44本
2019年 51本
2020年 0本

以下に、2019年に寄港した外国船籍のクルーズ船をご紹介します。

カレドニアン・スカイ（英）
コスタ・ネオロマンチカ（伊）
アザマラ・クエスト（米）
ウエステルダム（米）
クイーン・エリザベス（英・米）
MSCスプレンディダ（スイス）
シーボーン・ソジャーン（米）
シルバー・エクスプローラー（モナコ）
ル・ソレアル（仏）
ダイヤモンド・プリンセス（米）
マースダム（米）
ザ・ワールド（米）
セレブリティ・ミレニアム（米）

上記の中でも、クイーン・エリザベス（QE）の寄港は地元メディアで大きく取り上げられました。QEではお客様に、どの寄港地が良かったかのアンケートを取るらしいのですが、光栄にも金沢が第1位だったことから、2020年は寄港本数が増える予定でした。

コロナ禍で影響を受けたのは金沢だけではありませんから、仕方がないですね。ここから再スタートです。