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室生犀星記念館の入館者数が20万人に

2020年1月12日

2020年1月12日付の北國新聞に、室生犀星記念館のオープン以来の入館者数が20万人に到達したという記事が掲載されていました。記念の20万人目の入館者となったのは、長野市から訪れたシナリオライターの男性(38歳)で、記念品が贈られました。

この男性は作家の記念館に関心があり、3連休を利用して、石川県内で開催中の「名探偵コナン」を起用したミステリーツアーに参加するため、はじめて金沢を訪れたそうです。

室生犀星記念館がツアーのチェックポイントとなっており、1週間前に購入した犀星の詩集をもって来館しました。



2002年の開館から18年目で到達

セレモニーで歓迎を受けた男性は、「びっくりした。(犀星の作品は)『あにいもうと』の題名を知っているくらいだが、これを機に小説も読みたい」と笑顔を見せたとのことです。

犀星記念館の館長は、犀星が多くの校歌を作詞し子供たちにも親しまれているとし、「想像以上に早く20万人を達成できた。これからも親しみやすい犀星を売り出していきたい」とコメントしました。

なお、室生犀星記念館は、2002年8月1日に開館しました。

室生犀星記念館

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金沢の「山の手」の閑静な住宅街に

室生犀星記念館は、作家の五木寛之さんが金沢の山の手と形容した、犀川沿いの閑静な住宅街に位置しています。金沢の中でもあか抜けしたエリアにマッチする、ガラス張りのお洒落な外観が特長です。

館内に入ったところには、犀星が実際に使っていた蹲(つくばい)が置かれている他、展示室では、犀星の自筆原稿や、友人知人に送った書簡などが展示されています。

出版社の人に送った書簡の中には「原稿料を送ってくれてありがとう」という記述も見られるなど、犀星の人間らしさが垣間見られる記念館です。

ここは犀星の生家跡に整備されたミュージアムで、生家から200mほども行くと、犀川大橋の袂に彼が育った雨宝院があります。室生犀星は私生児として生まれたことから、近くのお寺に預けられました。

雨宝院の前に犀星の文学碑が置かれています

不遇な幼少期を過ごした犀星は、犀川の上流に見渡せる山並みをことのほか愛したそうです。そのことにちなんで、犀川大橋から桜橋の間には「犀星のみち」と呼ばれる遊歩道が整備されています。

ちなみに、犀星というペンネームは、犀川の西に住んでいるという意味で名付けられました。彼が東京に出る以前の、地元の新聞社に投稿していた10代の後半に自らがネーミングしたそうです。

「犀星のみち」は桜並木

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犀星記念館の周辺は文学エリア

犀星が育った千日町と、隣町の野町(にし茶屋街)、広小路、寺町は文学エリアでもあります。

大正時代の三大ベストセラーのひとつ『地上』の作者である島田清次郎は、にし茶屋街の吉米楼というお茶屋で育ちました。その跡地に設けられた西茶屋資料館には、清次郎の足跡が常設展示されています。

女性の文学ファンに根強い人気のある詩人の中原中也は、幼少期を寺町で過ごしました。そのことを記念して、寺町通りには中也の『金沢の思い出』の文学碑が見られます。

寺町通りと犀川を結ぶW坂は、井上靖氏の『北の海』で紹介されたスポットで、ジグザグと下っていく坂の踊り場には『北の海』の文学碑が設置されています。

文学がお好きな方は、前述の雨宝院、犀星のみちとあわせて、どうぞゆっくりと散策してください。

なお、周辺の観光スポットとしては、にし茶屋街、忍者寺(妙立寺)、金沢建築館などがある他、加賀水引細工の津田水引、金沢和傘の松田和傘といった伝統工芸の老舗が店を構えています。

シックな雰囲気のエントランスロビー

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

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