金沢への提言

緊急事態の石川県。PCR検査の切り札はアルプ

2020年4月13日

2020.4.16掲載

全国で新型コロナウィルスの感染拡大が止まりません。4月13日には石川県と金沢市が独自に緊急事態宣言を発出しました。

4月15日現在の石川県内の感染者数は140名で、人口10万人当たりの感染者数では東京都、福井県に次いでワースト3位となっています。また、金沢市に限ると、10万人当たりの感染者数で東京をも上回っています。まさに緊急事態です。

県民に自粛を求めるならPCR検査の拡充を

今、感染拡大を防止するための方策としてまず必要なことはPCR検査の拡充でしょう。PCR検査を推進すべきか否かについては、2月のダイヤモンドプリンセス号の時から議論されてきたことですが、やはり検査が必要との方向になってきましたね。

このページでは、石川県内でのPCR検査の拡充について述べたいと思います。私が最も述べたいことは、PCR検査を公的検査機関だけではなく、民間検査会社に広げるべきだということです。

現在、石川県の検査機関である石川県保健環境センターには4台のPCR検査機器があり、1台/1日あたり12件、計48件の検査が可能です。と言いますか、1日に48件しか行うことができません。

以下に、石川県の感染者数とPCR検査数をまとめました。

石川県内でのPCR検査数

月/日 累計感染者数 累計検査数 1日あたり検査数
5/11(月) 280名 2,276件 39件
5/10(日) 278名 2,237件 30件
5/9(土) 277名 2,207件 32件
5/8(金) 275名 2,175件 21件
5/7(木) 275名 2,154件 35件
5/6(水) 271名 2,119件 18件
5/5(火) 268名 2,101件 45件
5/4(月) 267名 2,056件 33件
4/27(月)~5/3(日) 264名 2,023件 63件/日
4/20(月)~4/26(日) 235名 1,583件 82件/日
4/13(月)~4/19(日) 178名 977件 58件/日
4/6(月)~4/12(日) 113名 562件 46件/日

※石川県発表

現状は軽症者を待機させている

一覧表をご覧いただいてお分かりのとおり、最も多く検査した日でも68件です。おそらく4台の検査機器をフル稼働して、地元メディアで報道された1日/48件以上の検査をしているのでしょう。ポイントは公的検査機関だけで検査していることです。

石川県庁のホームページに掲載されている140名の感染者の陽性判明までの経緯を見ると、全ての感染者が石川県保健環境センターでのPCR検査で陽性が判明しています。別の見方をすると、現時点では、民間に検査依頼をしていないようです。

現在、全国メディアでは、PCR検査を民間検査会社に広げるべきという論調が多く見られますが、石川県では民間の検査会社がないのでしょうか。答えはノーです。石川県には5つの民間検査会社があります。以下のとおりです。

アルプ(本社:金沢市)
北陸シーピーエル(本社:金沢市)
SRL金沢ラボラトリー(本社:東京都)
LSIメディエンス北陸ラボラトリー(本社:東京都)
ファルコバイオシステムズ金沢(本社:京都市)

アルプに依頼できないのか

上記の5つの民間検査会社の中で、石川県民には調剤薬局でお馴染みの「アルプ」は、金沢市に日本海側で最大級のラボラトリー(研究所)を所有しており、ホームページにはPCR検査も行っていると記されています。

石川県内に日本海側で最大級の検査施設があるのでしたら最大限活用すべきです。と言いますか、なぜ、公的検査会社にこだわって最小限の検査しか行っていないのか疑問です。

検査数が限られていることで、既に感染している人の中には順番待ちをしている人も多いのではないかと推測できます。そして、待機している間に軽症から中等症~重症へと症状が重くなっている人もいるのではないかと危惧します。

新型コロナウィルスのPCR検査については、検査機器を新型コロナ用にするための準備が必要らしいので、既に石川県から依頼されていて現在準備中ということも考えられますが、もし、まだ依頼していない場合は早急に依頼すべきです。

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医療崩壊の防止のためにAPAがある

4月16日追記

石川県では4月16日より、香林坊にある「東横イン金沢兼六園香林坊」を借り上げ、無症状や軽症の新型コロナウィルス入院患者を順次移すことになりました。

香林坊の東横インは約340人が収容可能ですが、石川県では当面半分の規模で運用する模様です。※4/16付け北國新聞より

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PCR検査については、3月の時点では、検査をし過ぎると軽症者や無症状者がベッドを使用することで、重症者用の病床がなくなり医療崩壊を招くという論調が見られましたが、今では軽症者をホテルなどの施設に隔離する方策がとられています。

そこで心強いのがAPAホテルです。APAグループ代表の元谷外志雄氏が石川県のご出身ということもあり、石川県内にはAPAホテルが10店舗もあります。金沢市に6店舗、小松市に2店舗、加賀市に2店舗です。

金沢市内にある6店舗の部屋数は以下のとおりです。

アパホテル金沢中央  513室
アパホテル金沢駅前  444室
アパホテル金沢野町  100室
アパホテル金沢西     200室
アパホテル金沢片町  148室
アパヴィラホテル金沢片町  42室

6店舗合計で1,447室あります。さらに、新幹線効果で新しいホテルが続々とオープンした金沢には1万室以上あります。多くのホテルでは予約が激減していますので、1棟まるごと県や市が借りることも可能でしょう。

幸いなことに金沢市はハード面では恵まれていると思います。医療崩壊は何としてでも阻止しなければなりませんが、PCR検査を民間に依頼して一気に検査数を増やせる素地はあるはずです。ぜひPCR検査を加速させてほしいものです。

人的ソフトの心配はあっても進みましょう

医療に関しては素人である私がPCR検査を増やしましょうと言うと、自治体の関係者からは医師や看護師の数が足りませんという指摘が必ず出てくるでしょうね。

PCR検査を増やすと、人的ソフトの不足という切実な問題は出てくるでしょう。しかし、現状のまま検査数を抑えたままでは一気にオーバーシュートしてしまい、それこそイタリアやアメリカのような状況に陥ってしまいます。

ここからが石川県庁に勤める人たちの知恵の見せどころではないですか。知事からの指示を待つのではなく、県庁の若い職員の方たちは積極的に自分のアイデアを口に出してください。アイデアを出し合えば妙案が生れるはずです。

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