金沢への提言

金沢の観光施設でコロナ前に戻して欲しい3つのこと

2022年10月13日

2022年10月11日から全国旅行支援がはじまりましたね。それとともに海外からの入国規制が大幅に緩和され、全国の観光地でコロナ前の賑わいが戻ることが期待されています。ちなみに、金沢でも欧米からの観光客を目にするようになりました。

金沢に限らず、全国の観光地では、マスク・手指消毒の徹底や、密を避けるための入場制限、アクリル板の設置などのコロナ対策をどの段階でコロナ以前に戻すのかに関して、タイミングを見計らっていることと思います。

このページでは、金沢の観光施設で導入されたコロナ対策の中で、ぜひコロナ前に戻して欲しいものを3つほどご紹介します。



21美のプールの予約制を廃止

コロナ前に戻して欲しいことの1点目は、金沢21世紀美術館の『スイミング・プール』の入場方法です。2021年7月からプールの地下部への入場が予約制になりました。そして、一度に入場できる人数が8名に、観覧時間が5分に制限されました。

私が撮影したコロナ以前の写真を見返すと、当時はプールの地下に10人以上の来館者がいましたので、感染拡大を防止するうえで予約制+入場制限は必要な感染対策だったと思います。ただ、現状は21美の思惑通りには進んでいないようです。

私は観光客の方をガイドすることがありますが、プール地下部への予約をしていた皆さんは予定時間よりも早く入場できています。無断キャンセルが多いのか、別の理由があるのかは分かりませんが、予約した人すべてが入場していないように思えます。

コロナ前は20人くらいが入場していました

21美の楽しさの象徴『スイミング・プール』

並んだ順のご案内は公平です

8名までの入場制限と、5分以内の観覧時間は継続しても良いと思いますが、入場方法は以前の「並んだ順」に戻す方がフェアなのではないでしょうか。以前は、21美に着いた時点での混み具合を見て、列に並ぶか、観覧を諦めるかを選択できました。

例えば、金沢の飲食店では、ミシュランの星の付いた有名店では予約制ですが、近江町市場の海鮮丼や、ひがし茶屋街の金箔ソフトは並んだ順でのご案内です。本当に食べたい人だけが並んでいますし、列に並べば漏れなく食べることができます。

21美の『スイミング・プール』も、何が何でも入りたい人が漏れなく観覧できるシステムに戻すべきだと思います。

この程度の列ならプールに入ろうかな…

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お茶室では和菓子と抹茶を別々に

新型コロナの感染拡大によって、兼六園の時雨亭と金沢城公園・玉泉院丸庭園の玉泉庵では、感染対策を徹底しなければいけない石川県が運営するお茶室ということもあってか、呈茶の仕方が変わりました。

以前は、最初に和菓子が提供され、和菓子を食べ終わる頃に抹茶が運ばれてきました。そして、茶道の心得のある給仕の女性が、表千家、裏千家のそれぞれの作法にのっとって茶碗を2度回してお客様にお出ししていました。

それが、コロナの感染拡大以降は和菓子と抹茶がひとつのお盆に載せられて一緒に提供されるようになりました。おそらく、お客様と従業員の接触を減らすための措置だと思うのですが、私はこのことを残念に思っていました。

兼六園の時雨亭

玉泉院丸庭園-金沢城に復元された庭園美

茶店での抹茶と和菓子は兼六園の楽しみの一つ

正式には和菓子が先です

正式なお茶会では、最初に和菓子が出されて、和菓子を食べ終わった後に抹茶が出てきます。和菓子で口の中を甘くして抹茶を飲むと、苦みが抑えられて美味しく飲めるのです。そろそろ、正式な作法に戻しても良いのではないでしょうか。

ただ、玉泉庵では感染対策によって良いこともありました。それは、お茶室から縁側に出られるようになったことです。コロナ前は虫が入ってくるとの理由で窓を閉めていたのですが、換気の必要から窓が開けられ、縁側に出られるようになったのです。

金沢城公園・玉泉院丸庭園の玉泉庵

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五十間長屋の櫓への入場再開

21世紀に入り金沢城のシンボルとして有名になった五十間長屋。藩主が暮らした二の丸御殿の防御の砦だった二階建ての五十間長屋の両脇には、三階建ての菱櫓と橋爪門続き櫓がそびえているのですが、コロナ前は三階の櫓も見学okでした。

三階の櫓へはびっくりするほど急こう配の階段を上がります。かつては加賀藩士たちが駆け下りたであろう急な階段を、手すりに摑まって恐々と上り下りする現代人の姿は、この施設の楽しさのひとつでした。

現在は三階櫓への入場は禁止されています

三階櫓の換気は抜群に良好です

櫓ではお客様同士が密になる危険性があるということで、現在は上がれなくなっています。ただ、現実はと言いますと、五十間長屋の鉄砲狭間には防寒用のアクリル板が張られていますが、三階櫓の鉄砲狭間にはアクリル板はなく風が通り抜けていきます。

ぜひ、櫓に上がれるようにしてほしいものです。

橋爪門続き櫓

菱櫓・五十間長屋・橋爪門は金沢城の象徴

ウィズコロナでも大丈夫では?

2020年1月から3年近くも続いたコロナ禍で、私たち日本人は感染拡大防止に向けての知識が成熟してきました。そして、導入当初は必要と思われた施策の中には、撤廃しても大丈夫だと思える施策も見受けられるようになりました。

21美のプール地下部への入場予約、兼六園と金沢城公園のお茶室での和菓子と抹茶の同時提供、五十間長屋の三階櫓への入場禁止の3つについては、ウィズコロナの社会において、感染拡大防止に絶対に有効な施策でもないと思います。

特に、これからは欧米からのお客様も増えてくるでしょうから、なるべく早く元に戻した方が良いと思います。

2つの櫓に挟まれた五十間長屋

Kanazawa Topics

主要な観光名所は8つ+金沢駅

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

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