加賀百万石の城下町・金沢は21世紀に入って大きく発展した街です。
金沢城の復元事業が進み、かつての「東の廓」が「ひがし茶屋街」となり、金沢駅に鼓門ともてなしドームがお目見えし、金沢21世紀美術館がオープンしました。また、金沢海みらい図書館や石川県立図書館などの教育施設も充実しました。
21世紀に入って金沢の観光スポットの1つとなったのが鈴木大拙館です。仏教哲学者の鈴木大拙を記念したミュージアムで、無の境地を演出した「水鏡の庭」は金沢でも有数のフォトジェニックなスポットです。
その鈴木大拙館が、2023年11月27日(月)から2024年3月まで建物修繕工事のため、約4か月間の長期休業に入ります。
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無料ゾーンも閉鎖されます
私は県外の方の観光ガイドをすることがあります。鈴木大拙館にご案内した方からは、異口同音に「ここに案内してくれてありがとう」との言葉をいただいています。
兼六園、ひがし茶屋街、近江町市場、金沢21世紀美術館などは事前にご存じの方が多いのですが、鈴木大拙館は少しずつ知名度が上がってきているとはいえ、まだまだ知らない人が大多数です。
そのこともあって、鈴木大拙館では、館内には入らずに無料ゾーンのみを見るパターンが多くなっています。金沢の観光スポットは無料ゾーンが多いことが特長ですが、鈴木大拙館は無料ゾーンだけでも訪れる価値があります。
ただ、残念ながら、今回の長期休館では無料ゾーンも閉鎖されるとのことです。
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再開日未定は良くも悪くも金沢らしさ
鈴木大拙館の長期休館はとても残念なのですが、建物の修繕は遅かれ早かれ必要なことですから致し方ないと思います。ただ、私は休館期間の伝え方に金沢らしさを感じます。
鈴木大拙館のホームページにある長期休館のお知らせには「長期休館 11月27日(月)-2024年3月中」と記されているのですが、再開される時期を「2024年3月中」としているのは、観光で訪れる人たちに対して不親切でしょう。
豪雪によって工事が中断することもあり得ますので再開日を明記できないのはわかるのですが、それなら、再開日を3月16日(土)としておいて「降雪の状況によって遅れることもあり得ます」と注意書きを入れておけば良いのにと思います。
余談ですが、金沢では観光シーズンに関係なく長期休館する施設があります。金沢21世紀美術館や鈴木大拙館などの金沢市の運営施設は、元々が地元の人たちに向けた施設であることから、観光客への配慮が足りないのかもしれませんね。
職人を急かさない金沢人
私は金沢で生まれ、高校時代まで金沢で過ごして、大学進学時からの30年間を東京で暮らして金沢に戻ってきました。
金沢に帰ってきて感じることのひとつが、金沢の人は東京の人に比べて職人を急かさないということです。急かさない代わりに「良いものを作れ」と言います。飲食店でも、東京のお店に比べて料理が出てくるのが遅いように感じます。
このような市民性がありますので、金沢ではゆっくりと時間が過ぎていきます。金沢は良くも悪くも職人の街なのです。今回の鈴木大拙館の再開日に関しても、いかにも金沢らしい対応と言えます。
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金沢人が観光客に見せたい文化施設
地元民から観光客へのお薦めスポットが増えていく中で、今、金沢の人たちが観光で訪れる人たちに最も見てもらいたいと思っている施設は、おそらく鈴木大拙館でしょう。言い方を変えると、今、金沢人が自慢したい施設が鈴木大拙館です。
県外の人から「金沢でお薦めのスポットはどこ?」と聞かれて、ひがし茶屋街とか21世紀美術館と言ってもインパクトはないですよね。逆に「えっ、何なのそれ?」と言われる場所が気に入ってもらえれば、教えた方の株も上がりますよね。
金沢人も知らなかった鈴木大拙
もうひとつ余談ですが、私は鈴木大拙館ができるまで鈴木大拙という人を知りませんでした。英語が堪能だった鈴木大拙は、自らが記した日本語の仏教論文を自分で訳して海外で出版したことから、日本よりも海外での知名度が高い方です。
だからでしょうか。館内には欧米からの観光客が多く見られます。平日には外国人の方が多いのではないかと思えるほどです。
無の境地を演出した何もないミュージアム。何もないけれども精神的なものを感じられるミュージアム。鈴木大拙館は “金沢通” を自認する人が「金沢で訪れるべきスポット」として必ず挙げるミュージアムです。
KANAZAWA Topics
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主要な観光名所は8つ+金沢駅
金沢駅 | 兼六園 | 金沢城公園 | ひがし茶屋街 | にし茶屋街 | 主計町茶屋街 | 長町武家屋敷跡 | 金沢21世紀美術館 | 近江町市場
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