街角でふと見かける文学碑も金沢の風景です

金沢のおたっき~ポイント#2

文学がお好きな方は、ご贔屓の作家の生家跡や文学碑を目にすると感激しますよね。このページでは、金沢にある文学碑の中から、観光客の方が立ち寄れそうな場所に設置されている文学碑をご紹介します。

金沢では古くからの花街であるひがし茶屋街、主計町茶屋街、にし茶屋街の近くに文学碑が集まっています。金沢の三文豪と称される徳田秋声、泉鏡花、室生犀星の3人が、いずれも茶屋街の近くで育ったからです。

徳田秋聲はひがし茶屋街のお膝元の東山で、泉鏡花は主計町の隣町の下新町で生を受け、室生犀星はにし茶屋街から近い犀川大橋の袂の雨宝院で育てられました。



浅野川と犀川沿いは文学碑の宝庫

加賀藩では、乱れた風紀を市の中心部に持ち込ませないように、二大河川である浅野川と犀川の向こう岸に茶屋街を作ったこととも相まって、三文豪をはじめとする多くの文学碑が浅野川と犀川の周辺に見られます。

三文豪以外ですと、大正時代に一大センセーションを巻き起こした島田清次郎は犀川に近い「にし茶屋街」のお茶屋で育てられ、父親の仕事で金沢に移り住んだ詩人の中原中也は犀川沿いの寺町で暮らしていました。

また、県外出身で金沢にゆかりのある有名作家では、旧制金沢四高の卒業生である井上靖氏は犀川沿いのW坂を小説の中で紹介し、五木寛之さんは浅野川沿いの主計町を題材にした小説を書かれています。

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金沢にある主な文学碑

-11選-
泉鏡花『照葉狂言』
泉鏡花『化鳥』
五木寛之『浅の川暮色』
泉鏡花『義血侠血(滝の白糸)』
水芦光子『雪の喪章』
室生犀星『小景異情』
室生犀星『性に眼覚める頃』
島田清次郎『地上』
井上靖『北の海』
中原中也『金沢の思ひ出』
杉森久英『能登』

浅野川周辺

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①照葉狂言/泉鏡花作

泉鏡花記念館の左斜め前に位置しています。文学碑には「下新町 泉鏡花生誕の町」のタイトルが付けられ、鏡花が小説『照葉狂言』の中で自らの暮らす町について触れた一文が記されています。

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泉鏡花記念館-浪漫と幻想の世界へのいざない

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②化鳥/泉鏡花作

主計町茶屋街の「中の橋」の袂に置かれています。中の橋はかつて一文橋と呼ばれ、橋を渡る際には通行料が必要でした。小説『化鳥』は中の橋の通行料(橋銭)で生活する母子の物語です。

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主計町は陽が暮れる頃に目覚めはじめる街

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③浅の川暮色/五木寛之作

主計町茶屋街の鍋料理店・太郎の前に設置されています。小説では “次郎” の名で登場するお店の2階から、主人公が夜の浅野川を眺めながら芸妓さんとの恋物語を振り返っていきます。

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泉鏡花&五木寛之。主計町は有名作家ゆかりの街

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④義血侠血(滝の白糸)/泉鏡花作

小説『義血侠血』の舞台となった天神橋の近くに、主人公である女水芸人の像が置かれています。水が凍結しない季節には、水芸人の右手から左手へと水が渡っていく仕掛けが施されています。

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鏡花のみち-天神橋から始まる浪漫の散歩道

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⑤雪の喪章/水芦光子作

浅野川大橋から徳田秋聲記念館へと至る川沿いに位置しています。東山で生まれ育った水芦光子さんの『雪の喪章』は、1967年(昭和42年)に若尾文子さん主演で映画化された人気作品です。

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秋聲のみち-秋聲が描いた男と女の心のひだが甦る

浅野川周辺の文学碑を地図で確認

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犀川周辺

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⑥小景異情/室生犀星作

犀川大橋~桜橋間の川沿いに「犀星のみち」と名付けられた遊歩道が整備されています。犀星のみちの終わりに置かれている文学碑には、犀星の筆跡で「小景異情」の一節が刻まれています。

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犀星のみち-室生犀星の不遇な年少期を偲ぶ道

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⑦性に眼覚める頃/室生犀星作

金沢の三文豪の一人・室生犀星は、犀川大橋の袂の雨宝院で幼少期を過ごしました。その雨宝院の前に『性に目覚める頃』の文学碑があります。室生犀星記念館への途中に寄られるといいでしょう。

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室生犀星記念館-現代風のエッセンスが満載

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⑧地上/島田清次郎作

大正時代の三大ベストセラーのひとつに数えられる『地上』の文学碑が、にし茶屋街の入口に置かれています。作者の島田清次郎が育ったお茶屋の建物では清次郎の足跡を常設展示しています。

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時代の寵児・島田清次郎を輩出「にし茶屋街」

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⑨北の海/井上靖作

ジグザグと上る形状からW坂と名付けられた坂道に、金沢四高の卒業生である井上靖氏の『北の海』の文学碑が設置されています。碑にはW坂について説明している箇所が紹介されています。

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W坂-犀川と寺町寺院群を結ぶ文学の坂

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⑩金沢の思ひ出/中原中也作

にし茶屋街から寺町寺院群へと上る寺町通りに位置しています。寺町は詩人の中原中也が幼少期を過ごした街です。『金沢の思ひ出』は中也が金沢で過ごした日々の思い出を綴ったエッセーです。

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⑪能登/杉森久英作

金沢ふるさと偉人館の前に置かれています。ここは直木賞作家の杉本久英氏が暮らした場所で、父親が勤める県職員の官舎がありました。また、中原中也が通った幼稚園の跡地でもあります。

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金沢ふるさと偉人館-中原中也ゆかりの場所

犀川周辺の文学碑を地図で確認

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金沢では趣味と嗜好に合わせて

おたっき~ポイント -9選-

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

2017年4月21日