金沢の三茶屋街で最多の芸妓を擁する「にし茶屋街」

にし茶屋街の見どころ#1

私の故郷の金沢では、茶屋街にデビューする芸妓さん(新花)も地元メディアのニュース素材となります。

新花さんは、お披露目の日に所属するお茶屋の女将に付き添われて、金沢市長にご挨拶に伺うことが慣例になっています。そして、金沢市長も公務として新花さんとの面会の時間を取ります。

井上雪さんの著書『廓のおんな』では、ひがし茶屋街の人気芸妓・すず見さんが独立して置屋を開く際に、老舗料亭の「金城楼」で宴席が設けられ、石川県知事、金沢市長、警察署長が列席したと記されています。

芸妓さんの祝い事に際しては、金沢市長が当然のことのように時間を割くのは金沢の伝統のようです。

明月の女将・乃莉さんは石川県指定無形文化財

にし茶屋街が3分でわかる画像集



三茶屋街で最も芸妓さんが多い「にし」

現在のにし茶屋街では、『明月』『美音』『はん家』『浅の家』『華の宿』の5つのお茶屋に計15名の芸妓さんが所属しています。15名という人数は金沢の3つの茶屋街で最も多い数です。周辺環境の違いが理由かもしれません。

ひがし茶屋街主計町茶屋街が位置する浅野川周辺では、茶屋街のエリアから外れたところでも築年数が経過している木造建築や、竣工時にはモダンな “ビルジング” と言われたであろうレトロな洋風建築が見られます。

一方、犀川に近い「にし茶屋街」の周辺は現代風の閑静な住宅街です。作家の五木寛之さんもエッセーで書かれていましたが、ひがしと主計町がある浅野川沿いは金沢では下町にあたり、にしの近くを流れる犀川沿いは山の手にあたります。

元々、金沢には東京のような山の手と下町という区別はありません。しかしながら、どちらが下町で、どちらが山の手かと言えば、にし茶屋街のある犀川沿いの方があか抜けています。

洋風建築のお稽古場もあか抜けています

にし茶屋街の見どころ#3

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戦後の金沢は犀川周辺から発展

にし茶屋街から犀川大橋を渡ると金沢随一のグルメ&ナイトタウン・片町です。昭和の頃の片町は金沢市民の憧れであったことから、犀川を挟んで隣町の「にし茶屋街」の近隣も、自然の流れとして街並みが近代化されていきました。

このような背景から、芸妓を目指す若い女性は、周辺環境が垢抜けしている「にし」の方が飛び込みやすいのかもしれませんね。

はん家と明月はお隣さん(華の宿から撮影)

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にし茶屋街は村松友視さんがご贔屓

著名な作家の中には、ありがたいことに金沢を贔屓にしてくれている方が結構います。五木寛之氏は主計町を舞台とした小説『浅の川暮色』『金沢あかり坂』を執筆し、エッセーでも主計町について書かれています。

一方、2015年に『金沢の不思議』というエッセーを出版した村松友視氏は、にし茶屋街がご贔屓のようで、にし茶屋街の「美音」で女将の影笛を堪能した後に、向い側の「明月」にお忍びで入ったと書かれています。

明月
美音

お茶屋は「一見さんお断り」

にし茶屋街では、村松氏のエッセーに出てくる「美音」「明月」と、「はん家」「浅の家」「華の宿」を合わせた計5軒が芸妓さんを抱える現役のお茶屋です。

ご存知のとおり、ひがし、にし、主計町の茶屋街では、芸妓さんを呼ぶ宴席は “一見さんお断り” です。

時代の流れとともに、今後、一見さんお断りの慣例を破棄する茶屋街が出てくるかもしれません。もし、一見さんokの茶屋街が出るとすれば、芸妓を目指す女性が飛び込みやすい「にし」のような気がします。

はん家
浅の家
華の宿

にし茶屋街への行き方

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1

金沢で主要な観光名所は1日で回れます。なぜなら、人気スポットが東京ディズニーランドと同じくらいのエリアに集っているからです。とりあえず見た!という感じでよろしければ、1日あれば充分です。

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金沢では、1周約4.3kmの百万石通りが観光エリアです。金沢城公園~兼六園~21世紀美術館は隣接し、ひがし茶屋街と主計町は隣町です。近江町市場や長町武家屋敷跡へもご近所へ行くような感覚です。

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バス移動では北陸鉄道バスの「1日フリー乗車券」をお買い求めください。料金は800円です。路線バスの210円区間と金沢周遊バスを購入日に何度でも利用できます。ほとんどの観光名所がカバーできます。

4

金沢駅は観光名所が集まる中心部から少し離れています。1泊の場合は駅チカの方が安心できるかと思いますが、2泊以上の場合は香林坊、片町、武蔵ヶ辻などの繁華街に宿泊する方が圧倒的に便利です。

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

2016年6月19日