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Nishi-Chayagai*1
(Geigi & Ochaya)

新花さんが地元メディアのニュースに

私の故郷の金沢では、茶屋街にデビューする新人の芸妓さんも地元メディアのニュース素材となります。

2017年5月26日付の北國新聞に、にし茶屋街の明月で、新人芸妓の新花さんが5月29日にお披露目されるという記事が掲載されました。

今回デビューする新花さんは虎太郎(こたろう)という源氏名の19歳の方で、明月の女将の乃莉さんからスカウトを受けて芸妓の世界に飛び込んだという略歴が大きく紹介されました。

金沢の新花さんは、お披露目の日に所属しているお茶屋の女将に付き添われて、金沢市長にご挨拶に伺うことが慣例になっています。

芸妓さんがデビューするというだけで、金沢市長が公務として面会の時間を取ることに驚かれる人もいるかもしれませんね。

井上雪さんの著書『廓のおんな』では、ひがし茶屋街の人気芸妓・すず見さんが独立して置屋を開く際に、金沢でも有数の老舗料亭である「金城楼」に宴席が設けられ、石川県知事、金沢市長、警察署長が列席したと記されています。

お披露目などの芸妓さんの祝い事に際しては、金沢市長が当然のことのように時間を割くのは金沢の伝統のようです。

新花の幸ぎくさんがデビューした西泉家

西泉家は女将の死去により惜しまれながらお店を仕舞いました

3つの茶屋街で最も芸妓さんが多いのは「にし」

現在のにし茶屋街では、『明月』『美音』『はん家』『浅の家』の4つのお茶屋に計19名の芸妓さんが所属しています。19名という人数は3つの茶屋街で最も多い数です。

茶屋街の格式から言うと「にし」よりも「ひがし」の方が高い格式を誇ってきたのですが、21世紀の現代では、芸妓を目指す若い女性は「ひがし」よりも「にし」の方が飛び込みやすいのかもしれません。

それぞれの茶屋街の周辺環境を比べると、にし茶屋街に最も多くの芸妓さんが集まる理由が分かるような気がします。

ひがし茶屋街と主計町茶屋街の周辺では、茶屋街のエリアから外れたところでも築年数の経過している木造建築や、竣工時にはモダンな “ビルジング” と言われたであろうレトロな洋風建築が点在しているのですが、にし茶屋街については、茶屋街から出ると閑静な住宅街になります。

作家の五木寛之さんも自身のエッセーで書かれていましたが、ひがしと主計町がある浅野川沿いは金沢では下町にあたります。一方、にしの近くを流れる犀川沿いは山の手にあたります。

元々、金沢には東京のような山の手と下町という区別はありません。しかしながら、どちらが下町で、どちらが山の手かと言えば、間違いなく犀川沿いの方が垢抜けています。

犀川大橋を渡ると金沢でも有数の繁華街・片町です。昭和の頃の片町は金沢市民の憧れの街であったことから、犀川を挟んで隣町になる広小路・野町のエリアも、自然の流れとして街並みが近代化されていきました。

このような背景から、芸妓を目指す若い女性は、周辺環境が垢抜けしている「にし」の方が飛び込みやすいのかもしれませんね。

目抜き通りから路地に入ると芸妓さんの連名表が掲出されています

目抜き通りから路地に入ると芸妓さんの連名表が掲出されています

にし茶屋街は作家の村松友視さんがご贔屓

著名な作家の中には、ありがたいことに金沢を贔屓にしてくれている方が結構います。中でも五木寛之氏は主計町を舞台とした小説『浅の川暮色』『金沢あかり坂』を執筆し、エッセーでも主計町がお気に入りであると述べられています。

一方、2015年に『金沢の不思議』というタイトルのエッセーを出版した村松友視氏は、にし茶屋街がご贔屓のようで、にし茶屋街の「美音」で女将の影笛を堪能した後に、向い側の「明月」にお忍びで入ったと書かれています。

明月

美音

にし茶屋街では、村松氏のエッセーに出てくる「美音」「明月」と、「はん家」「浅の家」を合わせた計4軒が芸妓さんを抱える現役のお茶屋です。

はん家

浅の家

ご存知のとおり、ひがし、にし、主計町の茶屋街では芸妓さんをお座敷に呼ぶ宴席については “一見さんお断り” です。

時代の流れとともに、今後、一見さんお断りの慣例を破棄する茶屋街が出てくるかもしれません。もし、一見さんを受け入れる茶屋街が出るとすれば、芸妓を目指す女性が飛び込みやすい「にし」のような気がします。

にし茶屋街への行き方

金沢芸妓ホームページ


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にし茶屋街の西泉家が女将の死去に伴い営業終了



にし茶屋街の周辺にある「観光してみたいかも」スポット

室生犀星記念館 | 辻家庭園 | W坂 | 長町武家屋敷跡


Nishi-Chayagai
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現役のお茶屋の中では浅の家だけが少し離れています

にし茶屋街は今風の街並みに佇む小粋な芸処