にし茶屋街の街並み

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にし茶屋街の見どころ-小粋な芸処は金沢で一番のグルメタウンの隣町

金沢の観光名所#4

金沢の三茶屋街のひとつ・にし茶屋街は、金沢で一番の繁華街・香林坊、ファッションスポットのタテマチ、グルメ&ナイトタウンの片町から、室生犀星ゆかりの犀川を渡った先に位置しています。

にし茶屋街を訪れる予定の方は、忍者寺(妙立寺)、室生犀星記念館金沢建築館なども併せて見学されるといいでしょう。また、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に指定されている寺町を歩かれるのも風情があります。

寺町から片町にかけてのエリアは、ミシュランの星の付いたお店が13店も集まる国内でも有数のグルメタウンです。にし茶屋街へは夕方近くの時間帯に訪れて、そのまま夕食のお店に行かれるスケジュールも良いかと思います。

にし茶屋街の標柱
にし茶屋街の入口に建つ石碑



斬新さは「ひがし」への対抗心

にし茶屋街は1820年(文政3年)に加賀藩から公許された花街で、当初はエリアの周囲に塀が張り巡らされ、一般社会と遮断された「廓(くるわ)」が形成されました。

また、ひがし茶屋街も同じ年に公許され、金沢城からの方角によって「東の廓」「西の廓」と呼ばれました。にし茶屋街は、ひがし茶屋街と比べると規模は小さいのですが、通りの両側には茶屋建築が並び往時の賑わいを偲ばせています。

メインストリート
にし茶屋街は小粋な芸処

にし茶屋街の見どころ#1
金沢で最多の芸妓を擁する「にし茶屋街」

にしの検番事務所は大正ロマン

1820年の公許以来、金沢で最高の格式を誇ってきた茶屋街は「ひがし」でした。

そのことから「にし」には「ひがし」に対抗するかのように、尖がった試みをする気質が育まれてきました。ひがし茶屋街への対抗心という視点で街並みを眺めていると、にしの街並みにはキラリと光る斬新さが見られます。

その中でも「ひがし」への対抗心が垣間見える建物が、1922年(大正11年)に竣工した西検番事務所です。

現在は、にし茶屋街のお茶屋に在籍する芸妓さんの稽古場となっている建物で、ひがし茶屋街と主計町茶屋街の事務所が和風のデザインなのに対して、にし茶屋街の事務所には洋風のデザインが施されています。

西検番事務所
西検番事務所は国の登録有形文化財です

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にし茶屋街はスイーツストリート

時代の流れとともに、かつてお茶屋だった建物の中には業態変更したお店が多く見られます。近年のにし茶屋街の特長は、お茶屋の跡地にスイーツのお店が開業していることです。

メインストリートには、老舗の和菓子屋さんの『諸江屋』、甘納豆で人気の『かわむら』、とうふアイスの『中谷とうふ』が風情のある外観で営業しています。

諸江屋、プレスタ、かわむらではカフェが併設されていますので、ゆっくりと座って風情を味わうのもお奨めです。また、わいんばーる『数登美』、カフェ&バー『桜桃』などのお洒落なネーミングも、にし茶屋街らしい斬新さです。

にし茶屋街の休憩所
にし茶屋街のお店は和風モダン

にし茶屋街の見どころ#3
落雁・チョコ・甘納豆。にしはスイーツ街

にし茶屋街は金沢の“山の手”

金沢ゆかりの作家・五木寛之さんは、ひがし・主計町茶屋街のある浅野川周辺を金沢の下町、にし茶屋街が位置する犀川周辺を金沢の山の手と評しています。確かに、にし茶屋街の周辺は落ちついた雰囲気の閑静な住宅街です。

これは戦後、金沢の街が犀川に近い香林坊、片町、竪町エリアを中心に発展したからです。ちなみに、にし茶屋街の最寄りのバス停の広小路(ひろこうじ)は、香林坊から2つ目、片町から1つ目です。

近年はテレビドラマのロケ地に

近年、にし茶屋街はテレビのロケ地として使用されることが多くなっています。

にし茶屋街を訪れた際には、茶屋街に並ぶお店を1軒ずつ撮影し、街並みを色々な角度からカメラに収めておくと、ドラマやバラエティなどのテレビ番組で、撮影場所を目にすることがあるかもしれませんね。

西茶屋資料館
テレビのロケ地になることの多いにし茶屋街

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金沢の茶屋街で最も多い芸妓さん

藩政期から明治~大正~昭和初期にかけて全国的に知られた金沢芸妓の伝統は今も受け継がれています。

にし茶屋街には5軒のお茶屋に15名の芸妓さんが所属しています。この15名という人数は金沢の3つの茶屋街の中で最も多い人数です。にし茶屋街は今風の街並みに佇む小粋な芸処です。

金沢の中心街からお越しになった方から見て一番奥に「西茶屋資料館」という無料のミュージアムがあり、資料館の2階には当時のお座敷が再現されています。

西茶屋資料館のお座敷
西茶屋資料館(入館無料)

にし茶屋街の見どころ#4
華の宿はにし茶屋街の隠れたお薦めスポット

時代の寵児・島田清次郎ゆかりの地

前述の西茶屋資料館はかつて吉米楼というお茶屋でした。そして、大正時代の大ベストセラー作家である島田清次郎が幼少期に暮らした建物です。そのことを記念して、西茶屋資料館の1階では島田清次郎の紹介パネルと写真が常設展示されています。

島田清次郎をご存じない方が大多数だと思いますが、彼の代表作である『地上』は50万部を売り上げ、大正時代の三大ベストセラーのひとつに数えられています。時代とともに忘れ去られた超人気作家の足跡は文学ファン必見です。

島田清次郎の無料展示
西茶屋資料館の1階は島田清次郎記念館

にし茶屋街の見どころ#2
時代の寵児・島田清次郎が育ったにし茶屋街

忍者寺へ徒歩5分です

にし茶屋街からは人気の観光スポットの妙立寺 (みょうりゅうじ)、通称・忍者寺へも歩いて5分ほどです。ブルーの西検番事務所の脇の路地を道なりに上っていくと大通りに出ますので、信号を渡ってそのまま一直線です。

妙立寺を予約していて急いで来たのだけれど、予定よりもかなり早く着いてしまったという方は、にし茶屋街にちょっと立ち寄るのも良いでしょう。その場合は、裏門から出て真っすぐに下ってください。

忍者寺
妙立寺へは裏門からお入りください

にし茶屋資料館

住所 金沢市野町2-25-18
入館料 無料
開館時間 午前9時30分~午後5時
休館日 年中無休
展示内容
1階 島田清次郎の紹介コーナー
2階 お茶屋のお座敷を再現

にし茶屋街への行き方

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にし茶屋街への行き方


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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

2016年5月14日