2017年3月1日付の北國新聞の社会面に、お茶屋の廃業の記事が掲載されていました。
惜しまれながら2月28日をもって営業を終えたのはにし茶屋街の「西泉家」です。西泉家は昭和初期に創業したとされ、80年以上にわたって「にし」の芸文化を支えてきた老舗のお茶屋でした。
近年の西泉家は、インターネットで芸妓さんの募集やお座敷の予約を行なうなど先進的な取り組みも行ってきました。また、2016年5月には京都市出身の幸ぎく(こぎく)さんがお披露目されました。
このたびの廃業のきっかけとなったのは、昨年12月の女将・まり千代さんの死去でした。そして、遺言により廃業が決まったとのことです。
老舗の廃業でにし茶屋街のお茶屋は4軒に
金沢の三茶屋街のお茶屋が廃業するのは8年ぶりのことです。新花の幸ぎくさんをはじめ、西泉家に籍を置くすず七(すずな)さん、光春(みつは)さんの3人の芸妓さんは、にし茶屋街の別のお茶屋に移籍します。
まり千代さんの遺族によると、跡地の利用についてはまだ決まっていませんが、「茶屋街の風情を損なわないよう、金沢など地元の業者に入っていただきたい」との意向があるそうです。
金沢市の担当者は「まちづくりの観点から地域や女将さんと話し合っていきたい」としています。
北陸新幹線の開業で金沢の花街文化への関心が高まり、新花のお披露目が相次ぐ一方で、芸妓さんを抱えるお茶屋では、旦那衆の減少や、宴会の2次会での利用が減り経営が難しくなっています。
女将は店の切り盛りの他、芸事や作法にも精通していなければならず、後継者の問題にも直面しています。
30年前には三茶屋街あわせて40軒あまりあったお茶屋は、今回の西泉家の廃業で、にし4軒、ひがし7軒、主計町4軒の計15軒となりました。
2月28日に当サイトでも紹介しましたが、金沢市では新年度予算案にお茶屋の内装の改修や借入金の利子負担に対する助成制度を創設し、資金面でお茶屋を下支えすることとしています。
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ひがしでは新規開業が2軒。悲観することはない
2月28日の当サイトの記事では、お茶屋の将来に関する私の意見として、顧客ターゲットを女性に切り替えることと、一見さんお断りの伝統を捨てることの2点を改善ポイントとしてあげました。
私はお茶屋の内情については全くの無知ですが、もし本当に、現在のお茶屋が所属の芸妓さんを食べさせていけないほど困窮しているのであれば、上記のような根本的な改善が必要だと思います。
しかし、一方で、この2年間に金沢の茶屋街では6名の新花さんがお披露目されています。また、ひがし茶屋街では、2006年11月に八の福が、2013年6月に藤乃弥が新しいお茶屋として開業しています。
八の福の女将・福太郎さんも、藤乃弥の女将・弥栄子さんも、さらに山とみの女将を継いだ亜希さんも、50歳前後の若い女将です。
今年に入って、北國新聞ではお茶屋に関する悲観的な記事が続いていますが、意外とまだまだ余力十分なのかもしれませんね。
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