金沢城公園の見どころ#5
1583年に金沢城主となった前田利家は金沢城の本格的な築城に着手し、城内の最も標高の高い地点に五層建ての立派な天守閣を構築したと言われています。
天守閣の構築年度ははっきりしませんが、金沢城公園にある本丸の説明文には1586年頃と記されています。当時は関ケ原の戦い以前であったことから、徳川家に気兼ねすることなく豪勢な城を築くことができたのです。
しかし、五層建ての天守閣は1602年(慶長7年)に落雷によって焼失してしまいます。この時には既に徳川家康が権力を掌握していたこともあって、こじんまりとした三階櫓(やぐら)が建造されました。
その後も、本丸に構築された建物は火災によって何度も焼失を繰り返したことから、城内で最も標高の高い地点は、次第に手つかずのままとなっていきました。

街中にあるハイキングコース
現在の本丸跡は「本丸園地」と名付けられ、ハイキングコースのような散策路が設けられています。散策路と言っても、雑木林を切り開いた道ですので、山道のように「足元にお気をつけください」という感じの道が続いています。
本丸園地まで上ってくる人はほとんどいません。それでも雑木林に足を踏み入れる人は「この先には何かあるのかな」と期待して入って行くのですが、「何もなかったよね」という感じで鶴の丸休憩館へと下っていきます。

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櫓跡からの眺望は得した気分に
本丸園地には何もないと記しましたが、正確には一つだけあります。それは、監視櫓の跡地に設けられた眺望スポットです。本丸の周囲には3つの櫓跡が残されており、本丸からの方角によって「丑寅櫓」「辰巳櫓」「戌亥櫓」と名付けられていました。
時計で言うと1時~2時のあたりに位置するのが丑寅櫓で、4時~5時の位置に辰巳櫓、10時~11時の位置に戌亥櫓がありました。現在は、それぞれの櫓跡は眺望スポットとなっており、風景写真がお好きな方にとっては絶好の撮影ポイントです。

五十間長屋を一望したい方は戌亥櫓跡
まず、重要文化財の三十間長屋から高台に上ったところにあるのが戌亥櫓跡です。3つの櫓跡の中では一番訪れる人の多いスポットで、櫓跡からは五十間長屋と、その手前に広がる二の丸広場が一望できます。
はじめて金沢城を訪れる方の中には、この場所に天守閣があったのだと勘違いされる方も多いようです。実際に私も「ここに天守閣があったんだ」と思いワクワクしながら説明板を読むと、警備用の櫓の跡ということでがっかりしました。

金沢城公園の見どころ#2
建物を撮りたい方は冬がベター
余談ですが、“森の都・金沢” は全体的な景色を眺めるのでしたら、木々が緑に色付く季節の方が綺麗なのですが、緑が生い茂る季節は肝心の建造物が木の葉に隠れてしまうのが厄介です。
一方、冬枯れの季節ですと木の枝の隙間から建物が見えるのですが、「勤労感謝の日」から「春分の日」までの金沢では滅多に青空を見ることはできません。風景写真が趣味という方は、そのあたりを考慮しながら金沢旅行の季節を選ばれるといいでしょう。

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21美が望める辰巳櫓、兼六園が美しい丑寅櫓
戌亥櫓跡から先は雑木林に入ります。文字通り雑木 “林” です。散策コースを歩いて行くと、左手に本丸の説明板が建てられています。
日本で最初の避雷針と言われる尾山神社の避雷針は、明治に入ってから取り付けられたものです。もし400年前に避雷針があったなら、当時の五層の豪華な天守閣がそのまま残っていたかもしれないと思うと残念です。

雑木林に設けられた散策路を道なりに行くと辰巳櫓跡に出ます。辰巳櫓跡からは、いもり堀の向こうに「しいのき緑地」が、百間堀の向こうに兼六園が一望できます。さらに交差点の先には金沢21世紀美術館の青と赤に彩られたオブジェが見えます。
重要文化財の鶴丸倉庫から坂道を上った所にあるのが丑寅櫓跡です。兼六園前の茶店の向こうに緑の木々が広がり、さらにその向こうに金沢の山並みが見えます。

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