金沢城の主なエリアは本丸・二の丸・三の丸・新丸

金沢城公園の見どころ#4

日本のお城は「本丸」とか「北の丸」というように、「○の丸」という形でエリア分けがなされています。

基本的に天守閣は本丸に築かれ、本丸の防御のため城内に内堀や城壁を設け、本丸に辿り着くまでにいくつもの門を越えなければならないという仕組みになっています。

そして、本丸はお城の敷地で最も標高の高いところに築かれるのが一般的です。

金沢城では、主に「本丸」「二の丸」「三の丸」「新丸」の4つのエリアに分けられており、最も低い位置にある新丸からひとつの門ごとに坂道を上って行きます。ちなみにトップの写真は三の丸広場です。



新丸広場から河北門へ

まず、大手堀の両端に位置する大手門と黒門から城内に入ると、新丸広場の緑地が広がっています。藩政期の新丸には職人たちの工房だった御細工所(おさいくじょ)がありました。

新丸広場には新丸南堀の外郭を再現した湿生園という水辺があり、「三の丸」との境界である河北門へと上って行きます。湿生園の前にはベンチがいくつも置かれ休憩スペースとなっています。

藩政期には職人が暮らした新丸広場
新丸から三の丸へは河北門を抜けます

金沢城公園の見どころ#3
石川門、河北門、橋爪門は金沢城の三御門

河北門から三の丸広場へ

河北門をくぐると、芝生が敷き詰められた三の丸広場へと出ます。広場の先には内堀があり、内堀の上には「二の丸」への防御の砦となる、菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓が構えています。

ちなみに菱櫓を曲がった先の内堀は金沢城で一番の桜の名所です。

前田家の庭であった兼六園から三の丸に入るところにも門が設けられています。その門が重要文化財の石川門です。現在は石川門が金沢城の正門のようになっていますが、藩政期の頃は搦手門(からめてもん/裏門のこと)と位置付けられていました。

河北門の眺望台から見る新丸広場。水辺は湿生園

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二の丸には藩主の御殿がありました

「三の丸」と「二の丸」の境界には橋爪門があり、橋爪門を過ぎると二の丸広場です。

金沢城の本丸に置かれた天守閣については、徳川幕府が誕生する以前に、初代藩主の前田利家によって五層建ての壮大な天守閣が建てられたそうです。天守閣が1602年の落雷で焼失した後は、二の丸に少しずつ金沢城の中心機能が移されるようになり、藩主の住居である二の丸御殿が建てられました。

二の丸御殿は、1881年(明治14年)の火災で全焼した後は復元されることなく現在に至っています。石川県関係者にとって二の丸御殿の復元は悲願です。

二の丸への最後の検問となる橋爪門

二の丸で御殿の遺構調査を開始

石川県では十分な資料が残っている施設のみを復元するという方針を貫いています。藩主が暮らした二の丸御殿の復元は石川県の悲願なのですが、資料がなかったことから、二の丸はずっと空き地のままでした。

明治5年(1872年)頃に描かれたと思われる二の丸御殿の絵図が、2015年に見つかりました。この絵図には城内の建物の配置を記した全体図と二の丸御殿の間取り図があり、復元に向けた貴重な資料だと期待されました。

また、文化7年(1810年)に二の丸御殿が最後に再建された当時の御大工頭が、内外装の材料や意匠の説明書と、襖の引手などの現物を残していたことが2019年に判明したことから、2020年に二の丸御殿復元に向けての遺構調査が始まりました。

二の丸広場は前田家の住居「二の丸御殿」の跡地

金沢城公園の見どころ#2
菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓は金沢城の象徴

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本丸のあった場所は自然林に

現在の金沢城は「金沢城公園」と称しているように広場がたくさんあります。

全国のお城をご覧になった方からは「金沢城は空き地ばかりだね」と言われそうですが、実際に「二の丸」も「三の丸」も「新丸」も空き地です。ちなみに、明治時代に撮影された「三の丸」の写真を見ると、現在と同じく空地でした。

さて、お城で最も重要な本丸については、現在は「本丸園地」と名付けられ、自然林が生い茂る散策コースとなっています。

江戸時代初期の前田家は、最大の外様大名として幕府から警戒されていたことから、天守閣が1602年に焼失した後は、元の壮大な天守閣を再建することはせずに三層の小さな櫓が造られました。そして、藩主の住居が二の丸へと移りました。

かつて天守閣があった場所は雑木林に

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

2016年5月29日