金沢城の重要文化財は石川門・三十間長屋・鶴丸倉庫

金沢城公園の見どころ#1

21世紀になって復元された金沢城公園は、今では兼六園とのセットで多くの人が訪れています。

金沢城は1881年(明治14年)の火災によって、中心施設の二の丸御殿と五十間長屋を焼失しましたが、火元から離れていた石川門・三十間長屋(さんじゅっけんながや)・鶴丸倉庫(つるまるそうこ)の3つの施設が焼失を免れました。

これらの3つの施設は、石川門が1950年(昭和25年)に、三十間長屋が1957年(昭和32年)に、鶴丸倉庫が2008年(平成20年に)に国の重要文化財に指定されています。

石川門の「二の門」

金沢城公園の見どころ#3

金沢城公園が3分でわかる画像集



藩政期の石川門は裏門でした

金沢城の入場門の中で、最も利用者が多いのが兼六園と直結する石川門です。

私が子供の頃は、金沢の観光名所と言えば兼六園・石川門と長町武家屋敷跡しかなく、全国メディアで金沢が紹介される時には、必ずと言っていいほど石川門が金沢を象徴する建造物として映し出されたものです。

金沢で生まれ育った人の中には、以前の私も含めて、兼六園と直結する石川門が金沢城の正門だと勘違いしている人が結構いますが、江戸時代の石川門はお城の裏門にあたり、反対側の大手門が正門という位置付けでした。

石川門も過去に火災で焼失したことがあり、現在の石川門は1788年(天明8年)に再建されたものです。

城内から見た石川門

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三十間長屋は春~秋の週末は一般開放

三十間長屋は1858年(安政5年)の建築で、金沢城では武器庫として活用されていました。三十間をメートルに直すと54~55mになります。実際には三十間ではなく26間半の長さとのことですので全長は約48mです。

幕末に近い時期に建てられた施設ということで、お城の中心である二の丸、三の丸から少し離れたところに位置しています。

そして、お城の中心から外れていることで、明治の大火災では焼失を免れました。その一方で、観光で訪れる方から見ると、この建物にたどり着くのに多少苦労されるかもしれませんね。

三十間長屋

一般開放の日ならラッキーです

三十間長屋は雪が降らない季節の土曜・日曜日と祝日に内部が公開されています。武器庫ですので特別な装飾があるわけではなく内部はガランとしています。大切な武器が湿らないように、とても風通し良く造られているのが特徴です。

また、2階からは玉泉院丸庭園が一望できますので、撮影スポットのひとつとして予定を組まれるのもいいでしょう。

※三十間長屋は屋根瓦の修繕のため、2024年3月まで閉鎖されています。

三十間長屋の内部は基本的に倉庫です
三十間長屋の2階から眺める玉泉院丸庭園

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鶴丸倉庫の周辺は絶好の撮影スポット

鶴丸倉庫は1848年(弘化5年/嘉永元年)に建てられた武具土蔵で、城郭内に残っている土蔵としては国内でも最大級の遺構です。

1858年に建てられた三十間長屋とともに、鶴丸倉庫も幕末に近い時期に建てられているのが興味深いところです。新しい時代のうねりを感じた加賀藩が武力を増強しようとしたのかもしれません。

この施設は2000年まで建設時期がはっきりせず、藩政期に建てられたとする説と、明治時代に帝国陸軍が建設したという説がありました。

国から石川県に所有権が移った1996年以降の遺構調査によって、工法や使用されている釘などの金具が和風であることから、藩政期に建設された施設であることが分かりました。

鶴丸倉庫

金沢城公園の見どころ#6

おまつの方ゆかりのエリア

鶴丸倉庫という名前のとおり、城内の鶴の丸に隣接して建てられています。鶴の丸は、芳春院(前田利家夫人のおまつの方)がこの場所に白い鶴が舞い降りているのを見て、これは前田家が長く栄えていく吉兆であるとして名付けられました。

金沢城公園にある撮影スポットの中でも、鶴丸倉庫の近辺から眺める五十間長屋は最高の景観です。また、鶴丸倉庫と三十間長屋を結ぶ坂道は若いカップルたちにとって絶好のお散歩コースとなっています。

余談ですが、現在の金沢城公園にある3つの重要文化財の建築年を見てみると、石川門(1788年)、三十間長屋(1858年)、鶴丸倉庫(1848年)といずれも西暦の下一桁が8の年に建てられています。

江戸時代には西暦の概念はなかったにもかかわらず、末広がりの「八」の年に建てられたのも歴史における奇遇と言えるかもしれませんね。

鶴丸倉庫への下り坂は若いカップルのデートコース

金沢城公園への行き方

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金沢で主要な観光名所は1日で回れます。なぜなら、人気スポットが東京ディズニーランドと同じくらいのエリアに集っているからです。とりあえず見た!という感じでよろしければ、1日あれば充分です。

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金沢では、1周約4.3kmの百万石通りが観光エリアです。金沢城公園~兼六園~21世紀美術館は隣接し、ひがし茶屋街と主計町は隣町です。近江町市場や長町武家屋敷跡へもご近所へ行くような感覚です。

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バス移動では北陸鉄道バスの「1日フリー乗車券」をお買い求めください。料金は800円です。路線バスの210円区間と金沢周遊バスを購入日に何度でも利用できます。ほとんどの観光名所がカバーできます。

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金沢駅は観光名所が集まる中心部から少し離れています。1泊の場合は駅チカの方が安心できるかと思いますが、2泊以上の場合は香林坊、片町、武蔵ヶ辻などの繁華街に宿泊する方が圧倒的に便利です。

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

2016年5月23日