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Omicho-Market*1
(Nickname Omicho)

近江町市場が観光地となったのは1970年代

現在の金沢の主要な観光名所は、昭和の頃から整備されていた観光地と、21世紀になって整備された観光地に分けられます。

1820年(文政3年)に公許された「ひがし」「にし」の茶屋街と、明治に入って形成された「主計町」の3つの茶屋街に、若い女性たちが訪れるようになったのは21世紀に入ってからです。

また、金沢城公園の五十間長屋の復元が2001年、金沢21世紀美術館のオープンが2004年です。そして、2005年に金沢駅の「もてなしドーム」と「鼓門」が完成しました。

今の金沢は地方都市にしては見どころの多い都市になりましたが、1970年代後半(昭和50年代前半)頃の金沢の観光地と言えば、兼六園と長町武家屋敷跡と妙立寺(忍者寺)くらいのものでした。

近江町市場が金沢の観光コースに組み込まれるようになったのは1970年代後半のことです。私はその頃のことを憶えていますが、地元テレビ局で「近江町市場で新鮮なお魚を買って帰る観光客が増えています」という話題が、ある種の驚きとともに報じられていました。

新鮮な魚介類を直送する観光客の方も

新鮮な魚介類を直送する観光客の方も

その後、クール便などの宅配サービスの向上によって、産地直送が日本人の消費行動のひとつとなっていくにつれて、近江町市場は金沢を代表する観光地へと成長していきました。北陸新幹線の開業後は、金沢駅から一番近い観光名所として近江町市場はますます賑わっています。

以前は、新鮮な魚を買うことを目的として訪れる人が多かったのですが、最近ではお買い物には興味はないものの、どういう場所なのか見ておきたいという観光目的の人が増えているように思えます。

ちなみに、現在の金沢には “近江町” という町名はなく、青草町、下堤町、十間町、上近江町、下近江町の5つの町の商店街が集まって一つの市場を形成しています。

観光客の方が最初に目にする「近江町」のロゴ

観光客の方が最初に目にする「近江町」のロゴ

金沢城と港との間に形成された魚市場

近江町市場のホームページに掲載されている「おみちょの歴史」によると、1690年(元禄3年)にお隣の袋町の魚市場が現在の場所に移り、1721年(享保6年)に現在の竪町付近にあった魚市場が移転してきたことで、「近江町市場の原型ができたらしい」と記されています。

近江町市場は、金沢城と港のある宮腰(現在の金石)を結ぶライン上に位置しています。そして、お城の周囲にあった武士が暮らすエリアを抜けて、商人と職人が暮らすエリアに魚市場が形成されました。

魚だけではなく野菜も豊富な品揃えです

魚だけではなく野菜も豊富な品揃えです

少し話しは逸れますが、現在の近江町市場は、青果市場の「青草辻」と鮮魚市場の「近江町市場」という2つの市場が1つになってできた市場です。

トップの写真にあるように、この市場の正式名称は「金澤青草辻近江町市場」と言います。

近江町市場は1904年(明治37年)に石川県から「青草辻近江町市場」の名前で認可を受け、公に認められた市場となりました。武蔵交差点の角に位置する「むさし口」の脇には「官許 金澤青草辻近江町市場」と記された石碑が建っています。

金沢城公園へは十間町口、ひがし茶屋街へは市姫神社口が便利です

金沢城公園へは十間町口、ひがし茶屋街へは市姫神社口が便利です

近江町市場は「おみちょ」という観光地へ

村松友視氏の著書『金沢の不思議』に、「金沢人は近江町を “おみちょ” と発音する」と記されています。この文面は私にとっては新鮮な発見でした。

金沢のイントネーションでは「おうみちょう」の「おう」にアクセントをつけて発音します。

自分では「おうみちょう」と言っているのですが、「おう」も「ちょう」も伸ばす音であることから、早口の人や急いでいる人が口にすると長音が消えてしまって「おみちょ」と聞こえるのです。

村松さんの著書には、自分も「おみちょ」と言ってみたが微妙に違うとも記されています。

金沢育ちの私にはよく分かります。こっちの人は「おみちょ」と言っているわけではなく「おうみちょう」と言っているのです。そして、「おうみちょう」を早口で言うとネイティブの「おみちょ」となるわけです。

近江町のサイトのトップページには「おみちょへ いらっし」というキャッチコピーが掲載されています。これは「近江町へいらっしゃい」という意味です。

県外の人が聞こえる「おみちょ」という発音を、近江町市場の愛称としてアピールするのは面白い試みだと思います。

金沢市民の台所として発展してきた近江町市場は、「おみちょ」という愛称で全国に定着していくのかもしれませんね。

近江町いちば館広場。ここからも市場内に入ることができます

近江町いちば館広場。ここからも市場内に入ることができます

近江町市場への行き方

近江町市場ホームページ



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News

 地図上の十間町や上近江町の一帯も近江町市場です

近江町市場はのどぐろも並ぶ食材の観光名所