主計町茶屋街-艶やかさともの哀しさがミックスされた街です

Kazuemachi-Chayagai

浅野川沿いに続く風情のある街並み

ひがし茶屋街から浅野川大橋を挟んで対角線上に位置するのが主計町茶屋街です。主計町と書いて「かずえまち」と読みます。

このあたりに加賀藩士・富田主計(とだかずえ)の屋敷があったことから名付けられました。1970年に尾張町2丁目に編入され一旦は主計町の名前が失われましたが、1999年に主計町の町名に戻りました。

旧町名の復活は全国各地で見られるトレンドとなっていますが、金沢市の主計町が全国で初めての旧町名の復活でした。ちなみに金沢市では計11の町名が復活しています。

ひがし、にし、主計町の3つの茶屋街の中で、私が個人的に一番好きな茶屋街が主計町です。浅野川沿いのメインストリートには川の流れに沿ってお茶屋や小料理店などの茶屋建築の建物が並び、純和風の風情を醸し出しています。

浅野川大橋から見渡す主計町茶屋街

ひがし茶屋街、にし茶屋街には観光地として作られた雰囲気がありますが、主計町は長きにわたって親しまれてきた “旦那衆の洒落た遊びの街” の雰囲気が残っています。

歴史を感じさせる街並みというよりは、現代に受け継がれてきた金沢の和文化を表現している街と言えるでしょう。

主計町は陽が暮れかかる頃に目覚めはじめる街

主計町は夕暮れ時から起き始める街です

泉鏡花に五木寛之。ここは有名作家ゆかりの地

金沢市には2つの大きな川が流れています。ひとつは室生犀星ゆかりの犀川で、もう一つが泉鏡花と徳田秋聲ゆかりの浅野川です。

直線的で “男川” の異名を持つ犀川とは異なり、浅野川は緩やかに蛇行しながら流れる女性的な美しさから “女川” と形容されています。

明治後期から昭和初期にかけての文豪で『義血侠血』『高野聖』『婦系図』などの作品で知られる泉鏡花は、主計町と隣接する下新町(旧町名が復活した町)で生まれました。

下新町の生家跡には泉鏡花記念館が建設されている他、浅野川沿いにある主計町茶屋街の表通りは「鏡花のみち」と名付けられています。

泉鏡花記念館-浪漫と幻想の世界へのいざない

主計町の浅野川沿いの道は「鏡花のみち」

浅野川大橋から主計町茶屋街に入ってすぐのところあるのが、五木寛之氏の1978年の作品『浅の川暮色』の文学碑です。

この作品は、主計町を舞台に新聞記者と芸妓の恋物語を描いた小説で、舞台となった鍋料理店の前に設置されています。文学碑には、十何年ぶりに金沢に戻ってきた主人公が、鍋料理のお店の2階から夜の浅野川を見下ろしている時の情景が記されています。

五木寛之氏の小説に主計町がたびたび出てきます

五木寛之氏『浅の川暮色』の文学碑

ここが有名作家のゆかりの地であることを認識した上で、浅野川大橋やひとつ下流の「中の橋」から主計町を眺めると、昭和の恋愛映画のワンシーンがよみがえってくるようです。

浅野川の堤防に沿って植えられた桜並木と茶屋建築の建物に挟まれた通りを歩いていると、三味線の音が聞こえてきそうな雰囲気を感じます。

他の2つの茶屋街では、和風建築のお店の前に飲料メーカーの配送車が停まっていると興ざめを感じますが、主計町では配送用のトラックも表通りの景観に自然に馴染んでいます。

金沢市民の文化が溶け込んでいる街、それが主計町です。

お花見の季節には浅野川沿いにぼんぼりが並びます

路地裏から暗がり坂にかけても情緒を感じます

主計町茶屋街では路地裏の狭い通りにもお茶屋やバーなどのお店が並んでいます。

この茶屋街は、ひがし茶屋街のようなショッピングストリートではないことから、昼間の時間帯はそれほど人通りもなくゆっくりと散策することができます。

主計町茶屋街から泉鏡花記念館に行かれる方は、裏通りの先にある「暗がり坂」を上って行くのが一番近いルートです。

暗がり坂は主計町茶屋街と住宅街を結ぶように設けられている石段状の坂道で、急こう配で蛇行しながら上って行く石段を見ると、明かりの少なかった時代には女性は暗がって歩けなかっただろうと思えます。

暗がり坂は主計町から泉鏡花記念館への石段坂

暗がり坂と照葉さくら

暗がり坂と照葉さくら

坂道の下には「暗がり坂」と記された石標が経っています。かつては旦那衆が人知れず馴染みの芸妓さんに会うために降りていった“秘密の通路”は、今では主計町の情緒を感じさせてくれるスポットとなりました。

主計町には、もうひとつ「あかり坂」と名付けられた石段坂があります。細い路地の先にある坂道で、観光で訪れる方の中には坂道があることに気付かずに通り過ぎていく人もいます。

この坂道は21世紀に入るまで名前のない名無し坂でしたが、地元から依頼を受けた五木寛之氏によって2008年に「あかり坂」と命名されました。

主計町茶屋街は、金沢の風情を感じたい方にはお薦めの街です。

「あかり坂」は五木寛之さんが名付けました

主計町茶屋街ホームページ(金沢市観光協会)


主計町茶屋街の見どころをCheck!

夜の街 | 暗がり坂 | あかり坂  | 五木寛之 | かーふコレクション新町・鏡花通り | 柳宗理デザイン研究所


主計町茶屋街への行き方

ひがし茶屋街から | 近江町市場から | 金沢城公園から


主計町茶屋街の周辺にある「観光してみたいかも」スポット

泉鏡花記念館 | 金沢蓄音器館 | 金沢文芸館


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主計町から浅野川大橋の対角線上に「ひがし茶屋街」があります

主計町茶屋街は金沢の和文化を表現した街