今日は金沢21世紀美術館 (21美) の話題をひとつお届けします。今、21美では有料ゾーンの一部が無料ゾーンとして開放されています。
本来は『スイミング・プール』を上から見る時も有料なのですが、10月18日から来年の3月15日(日)までは無料で見られます。また、有料の特別展のエリアにある『緑の橋』も無料で通り抜けられます。
これは、特別展『SIDE CORE Living road, Living space /生きている道、生きるための場所』の中で実施されているものです。冬の期間に21美へ行かれる方は、普段よりも少しお得な気分になります。

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円形の館内を直線状に突っ切れます
テレビや雑誌などでご存じの方も多いかと思いますが、金沢21世紀美術館は円形の建物です。館内に入ると、建物の中心部に有料の展覧会ゾーンがあり、有料ゾーンの周りに無料ゾーンが設けられています。
チケット売り場から有料ゾーンへと入っていく通路の向こう側に、反対側の無料ゾーンが見えるのですが、反対側に行く時には、当然のことながら有料ゾーンの外側をグルリと回らなければなりません。
それが、本来の有料ゾーンである『スイミング・プール地上部』~ 展示室14 ~『緑の橋』が開放されたことで、チケット売り場から反対側の『市民ギャラリー 2004.10.09-2005.03.21』まで直進できるようになりました。

これまでで最高のアイデア
美術館の運営に対しての評価は人それぞれですが、私は、今回の無料ゾーンの開放は、これまで21美で開催された特別展の中で最高のアイデアだと思います。館内のど真ん中を無料で通り抜けできる企画が出てくるとは思いませんでした。
21美では無料ゾーンと有料ゾーンを白い枠の付いた大きなガラス扉で仕切っていて、作品の搬出搬入時にはガラス扉を開けて展示替えをしています。
つまり、展示替えの期間以外はガラス扉で仕切られているのですが、今回の特別展ではガラス扉を開いた状態にしています。ただ、有料ゾーンでの展覧会ですから、ガラス扉が開いているのは有料ゾーンの開館時間だけです。
館内の無料ゾーンは午前9時から午後10時まで開いているのですが、有料ゾーンへのガラス扉が開いているのは、火曜~日曜の午前10時~午後6時 (金曜、土曜は午後8時) ですのでご注意ください。

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東京のアートチーム「SIDE CORE」
今回の特別展を展開しているアートチーム「SIDE CORE」の概要は以下のとおりです。21美の公式サイトに掲載の「SIDE CORE」の紹介文を記します。
SIDE CORE
2012年より活動を開始、東京都を拠点に活動。
メンバーは高須咲恵、松下徹、西広太志。映像ディレクターは播本和宜。
個人がいかに都市や公共空間のなかでメッセージを発するかという問いのもと、ストリート カルチャーの思想や歴史などを参照し制作する。ときに他ジャンルの表現者を交えたプロ ジェクトとして、都市の死角や隙間となる場所で多彩な作品を展開。
※金沢21世紀美術館の公式サイトより

ストリート カルチャーを具現化
今回の21美の館内を縦断する企画は、SIDE COREが思い描くストリート カルチャーを具現化したように思えます。
ストリートにはアート作品のような壁画がありますよね。また、アートに囲まれる空間では、スケートボードやインラインスケートを楽しむ若者の姿が見られますよね。そして、ストリートには音楽があります。
SIDE COREのメンバーにとって、チケット売り場から館内の反対側へと突き抜ける通路は、まさにストリートです。だからこそ、有料ゾーンにある直線通路を開放する必要があったのです。

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美術館とアート広場の狭間で
私は、このサイトで何度も記してきましたが、金沢21世紀美術館は「美術館」という名前が付いていますが、実際には「アート広場」と呼んだ方がピッタリ来ます。人々は、ここが楽しい場所だから集まってきます。
金沢21世紀美術館の設立コンセプトである「市民に開かれた公園のような美術館」とは「アート広場」なのです。

新館長の考え方は良いですね
今年の4月に鷲田めるろ氏が21美の第5代館長に就任しました。鷲田氏は2004年10月の開業前から21美で実務に携わっていた方で、21美を退職後、青森県の十和田市現代美術館の館長を経て現職に就いています。
歴代の館長の中には、作品の写真撮影を禁止するなど、21美を正統派の美術館にしようとした方もいましたが、鷲田氏はオープン前から21美に関わってきただけあって、アート広場という21美の方向性を尊重しているように感じます。
有料ゾーンの一部を開放するというアイデアは、アート広場としての21美だからこそできることだと思います。少なくとも、21美を「美術館」として見ている人には思い浮かばないアイデアだと思います。
これからも、金沢21世紀美術館は楽しい場所であり続けてほしいものです。

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