2021年1月7日付の北國新聞に、兼六園への外国人の入園者数が掲載されていました。
記事によると、新型コロナウィルスの影響を受け、2020年に兼六園を訪れた外国人観光客数は前年比87.1%減の61,082人に留まりました。10万人を割り込んだのは、東日本大震災があった2011年の76,850人以来です。
兼六園に入園した外国人の数は、石川県を訪れる外国人観光客数を計る目安となります。北陸新幹線の開業効果もあり、2019年までは7年連続で過去最多を更新していました。
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新型コロナウィルスの感染拡大が要因
2020年の1月は31,716人で前年同月を22.4%上回る好調な滑り出しでした。2月は20,064人で新型コロナウィルスの感染拡大による影響が出始め、中国人客が大幅に減少しました。
3月はさらに減って4,188人。4月21日~5月末は、1976年(昭和51年)の有料化以来はじめての長期休園となりました。入国規制により来園する外国人は国内在住者のみとなり、6月からは400人台~700人台で推移しました。
11月は感染の落ち着きやGOTOトラベルの効果もあって1,034人でした。国・地域別では、ほぼすべての国と地域で8割以上の減少となりました。
来園者が最も多かったのは台湾で26,409人。次いで中国9,432人、香港4,398人が続きました。欧州ではイタリアが96.7%減の710人と減少幅が大きく、米国も92.7%減の2,220人と落ち込みました。
なお、昨年の日本人を含めた全体の入園者数は、前年比56.1%減の118万6,538人で、有料化以降で過去最少となりました。
2020年 兼六園の国別入園者数
国・地域 | 2020年(人) | 2019年(人) | 増減率(%) |
台湾 | 26,409 | 164,325 | ▲83.9 |
韓国 | 585 | 10,591 | ▲94.5 |
中国 | 9,432 | 44,468 | ▲78.8 |
香港 | 4,398 | 37,602 | ▲88.3 |
タイ | 1,908 | 12,111 | ▲84.2 |
マレーシア | 1,341 | 8,041 | ▲83.3 |
シンガポール | 746 | 8,333 | ▲91.0 |
インドネシア | 1,135 | 7,298 | ▲84.4 |
アメリカ | 2,220 | 30,271 | ▲92.7 |
フランス | 1,504 | 18,442 | ▲91.8 |
スペイン | 542 | 14,155 | ▲96.2 |
イタリア | 710 | 21,254 | ▲96.7 |
ドイツ | 857 | 8,394 | ▲89.8 |
イギリス | 1,298 | 14,900 | ▲91.3 |
オーストラリア | 2,806 | 21,294 | ▲86.8 |
ニュージーランド | --- | 1,936 | --- |
その他 | 5,191 | 51,605 | ▲90.3 |
合計 | 61,082 | 475,020 | ▲87.1 |
※北國新聞 2021年1月7日付に掲載 |
金沢を観光するんだけど…
こちらは現地ガイドの金沢観光サイトです
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今の金沢は欧米人はほぼゼロです
北國新聞の記事にあるとおり、コロナ以降、兼六園には外国人の姿がなくなりました。中でも欧米からお越しの方は、日本人やアジア人とは違った視点で園内を巡るので、私はいつも興味深く見ていました。
例えば、日本のメディアで紹介される兼六園は、ことじ灯籠のある霞ヶ池がメインなのですが、欧米の方は、幽邃の趣きを漂わせる瓢池を気に入っているように見えます。
また、兼六園に架かる橋の中では、日本人やアジア人に人気の撮影スポットである虹橋や花見橋以外にも、園内の曲水と呼ばれる小川の中で一番地味な「板橋」を渡る欧米人が多く見られます。
それから、欧米の人、特に男性は園内で作業をする植木職人の作業に興味を持つようで、機械を使わずに、縄で梯子と松の木を手作業で結び付ける作業をじっくりと見ている男性が目につきます。
金沢版トレビの泉は日本の小銭だけ
海外からの来園者によってもたらされた興味深い事項と言えば、何と言っても「金沢版トレビの泉」でしょう。霞ヶ池を見下ろせる「さざえ山」の山頂の手水鉢には、小銭が投げ入れられるようになりました。
イタリア人が最初に投げ入れたのではないかと思いますが、今では日本人の来園者も小銭を投げ入れています。コロナ前は外国のコインも見られた手水鉢は、コロナ以降、1円玉や5円玉などの日本の小銭だけになりました。
兼六園だけではなく、金沢の街では欧米人の姿が見られなくなりました。以前の日常に戻れることを願っています。
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