今日は兼六園の話題をお届けします。兼六園を訪れる観光客の方が足を止めるポイントのひとつが日本武尊像(やまとたけるのみことぞう)です。明治初頭の西南戦争に参加した石川県戦没者の慰霊碑で、国内最古の屋外の人物の銅像と言われています。
1880年 (明治13年)に建てられた際には、市民から「兼六園にふさわしくない」と大不評だったのですが、建造から140年以上が経過し、今では兼六園の景観のひとつとして定着しています。
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銅像の頭部に鳥のフンが
ゴールデンウイークの頃から銅像の頭部に鳥のフンが見られています。私が最初に確認したのが5月3日でした。
私は県外からのお客様の観光ガイドをすることがありますが、日本武尊像の前では「ご覧ください。鳥のフンが付いてないですよね。その理由は…」と自慢げに説明していましたので、頭の頂上にフンを確認した時は驚きました。
おそらく、驚いた金沢市民は私だけではないと思います。なぜなら、この銅像は「鳥が近寄らない銅像」のはずだったからです。
銅にヒ素が入っています
数年前にテレビの全国ネットでも紹介されていましたが、日本武尊像はずっと鳥のフンが付いていない綺麗な銅像でした。どうしてかと言いますと、銅にヒ素が混ざっているからです。ヒ素が銅と反応して電磁波を出すことで鳥が近づかないのです。
私は頭部についたフンを見て、鳥が飛びながらフンをして、たまたま運悪く銅像の頭部に命中してしまったのだと思いました。
ただ、鳥が近づかないということは、人が触るのも危険ということですから、フンを取り除くにしても作業着で除去作業することはできないでしょうから、防御服を着るのかななどと考えていました。
やはりフンの撤去には相応の装備が必要だからでしょうか。6月の中旬を過ぎてもフンが付いたままです。雨によって少しずつ洗い流されてはいますが完全には除去されていません。
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日本武尊像の上にカラスが
別の機会に県外のお客様を兼六園にご案内した時に、またもや驚く光景を目にしました。日本武尊像の頭の上にカラスがとまっていたのです。
銅に混入されているヒ素によって、カラスをはじめとする鳥類が銅像に近づいてこない。だから銅像は鳥のフンが付くことなく綺麗に保たれているという話しは何だったのでしょうか。
知り合いのドクターの話しでは、ヒ素の毒性は年月が経過しても弱まることはないとのこと。ただし、長年の雨や雪でヒ素そのものが洗い流されてしまったことは考えられますねとの見解でした。
別の日には小鳥がとまっていました
私はカラスがとまっている写真を撮影することはできなかったのですが、別の日に、スズメなのか、ツグミなのかはわかりませんが、小さな鳥がとまっているのを目にしました。
たまにしか兼六園に行かない私でも、2度も銅像に鳥がとまっているのを目撃したわけですから、兼六園で働いている人はもっと多く目にしていることと思います。そして、鳥が銅像にとまるのでしたら、銅像がフンで汚され続けることになります。
もしかすると、ずっと以前から日本武尊像にカラスやスズメがとまっていたのかもしれませんね。とは言っても、私はずっと鳥のフンが付いていない銅像を目にしてきましたので、つい先ごろ、何か状況の変化があったのかなと想像しています。
どうでも良いと言えば、どうでも良い話しなのですが、でも、かなり気になります。
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日本武尊像は兼六園の奥の方
日本武尊像は、大多数の観光客の方が利用する桂坂口料金所から見ると、園内の奥の方に位置しています。
料金所を通って傾斜地を上り切ると、兼六園で最も有名な景観である霞ヶ池に出ます。そして、霞ヶ池の対岸に出て、曲がりながら流れる曲水と呼ばれる小川に沿ってさらに奥に行き千歳橋を渡ると、左手に日本武尊像があります。
建てられた当時は金沢市民から大反発を受けた銅像ですが、冷静に見ると、庭園の景観を大きく損ねない場所に建てられたことがわかります。
景観を損ねない場所に建てられたといっても、銅像の顔に付いた鳥のフンは景観を大きく損ねますよね。兼六園管理事務所や石川県では何か対策を取るのか注目したいところです。
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