2019年3月10日付の北國新聞に、長町武家屋敷跡で、冬の風物詩である “薦(こも)” を外す作業が行われたという記事が掲載されていました。
記事によると、金沢職人大学校の実習生ら約40人が、冬の間、長町武家屋敷跡の土塀を雪から守ってきた薦を取り外す作業に取り組みました。観光客らが足を止めて見入り、城下町が春の装いに変わる様子をカメラに納めていたそうです。
春の訪れを告げる作業が
薦は幅約3.6mで、昨年12月から、総延長約1.1kmに約500枚の薦が掛けられていました。
この日は金沢職人大学校の実習生や修了生、石川県造園業協同組合の職人さんが、薦を吊るす縄をハサミで手際よく切り、次々とリヤカーに載せて回収しました。
組合の理事長によると、暖冬だった今年は雪が少なく、薦や土塀に傷みはほとんど見られなかったとのことです。また、地元テレビ局の報道では、今年使用した薦は傷みが少なかったことで、来年の冬にもそのまま使える薦が多いとのことです。
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薦が外されると厳しい冬が終わります
金沢の新聞やテレビで、春の訪れを告げる風物詩として毎年報道されるニュースは、尾崎神社の雪囲い外し、長町武家屋敷跡の薦外し、兼六園の雪吊り外しです。
尾崎神社の雪囲いは、長町よりも1週間早く取り外されました。そして、兼六園の雪吊りが外されるのは3月の下旬になります。
今年の金沢は、昨年の記録的な豪雪から一転して雪のない冬でした。例年ですと一度くらいはドカ雪が降って市民生活に大きな支障が出るのですが、今年は本当に平穏な冬でした。
これだけ雪が降らなければ、今年使用した薦を来年も使えるというのも頷けます。毎年思うのですが、薦外しの現場を見ることができた観光客の方は本当にラッキーだと思います。
さて、北國新聞の記事に、金沢職人大学校の実習生が作業にあたったとあります。
金沢では、基本的な技能を取得している職人さんにより専門的な知識を身に着けてもらうことを目的として、3年間の実習を行う研修機関を開設しています。
それが金沢職人大学校です。金沢市に残る伝統的な建造物を守るという大義名分があることから研修は無料です。この研修機関に通う実習生の中には女性の職人さんもいます。
12月に薦掛けが行なわれた際の地元メディアの報道では、女性の職人さんが、より美しく見える薦の取り付け方法を考案したことが紹介されていました。薦外しは職人の街・金沢ならではの風物詩です。
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