金沢の観光名所#6
江戸時代の景観が残る街並みとして、昭和の頃から金沢の観光名所のひとつとなっていたのが長町武家屋敷跡です。今では、土塀が続く景観はヨーロッパから訪れる方の人気スポットとなりました。
ここは藩政期に中級武士が暮らしたエリアで、中級武士の格式を示す長屋門が土塀の街並みに威厳を加えています。また、長町の大切な景観となっているのが、土塀に沿って流れる大野庄用水で、長町二の橋は人気のインスタ映えスポットです。
長町を訪れる人は、異口同音に「ここを歩いていると落ち着くよね」という感想を抱いてくれます。どこからどこまでが武家屋敷跡という境界線はなく、いつの間にか土塀の街並みに入り込んで、気が付くと現代の街並みに戻っています。
この街は、今も一般市民が日常生活を送る住宅街です。
加賀藩士は職住接近の好環境!?
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長町観光の中心は長町二の橋
長町の散策ポイントは2つあります。1つがせせらぎ通りと大野庄用水を結ぶ長町武家屋敷通り、もう1つが長町一の橋から六の橋までの大野庄用水沿いの道です。そして、武家屋敷通りと大野庄用水が交差するポイントが長町二の橋です。
北陸新幹線の開業以降、金沢には多くの外国人観光客が訪れるようになりました。海外からのお客様の中でも長町を気に入ってくれるのはヨーロッパの人たちです。特に、イタリア、フランス、スペインなどのラテン系の方に大人気です。
長町散策の中心となっている長町二の橋では、外国人観光客が様々なアングルから写真を撮っています。橋の欄干や用水沿いの石垣といった細かい部分にもカメラを向けるところに、欧州人の文化への接し方を感じます。
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曲がり真っすぐは藩政期の名残り
長町二の橋を渡ると長町武家屋敷通りです。ここから観光ガイドブックで目にする土塀の街並みが続きます。この道を歩くと、まっすぐに伸びている道が少しだけ曲がっていることに気付かれることでしょう。
これは金沢の人たちが「曲がり真っすぐ」と呼んでいる道路形態で、直線のように見える道を微妙に曲げながら、金沢城から遠ざかっていくように作られています。
また、曲がり真っすぐの突き当りを右に曲がると、またすぐに突き当りがあり左に曲がるなど、街中に作られた「あみだくじ」のようにジグザグと進みます。これが武家社会だった金沢の道です。
長町武家屋敷跡の見どころ#2
長町二の橋~香林坊は最高級のお散歩コース
長町には雨が似合います
石川県は年間の降雨日数が全国1位です。年間170日以上、2日に1日くらいは雨が降ります。せっかくの旅行なのに雨ばっかり…ということもあり得ますが、金沢には旅行者に慰めとなる言葉があります。それは「金沢は雨の似合う街」です(笑)。
中でも、長町には雨がよく似合います。天気予報で「夕方頃に雨が降るでしょう」というような予報が出ていましたら、雨の降りそうな時間帯に長町を訪れるスケジュールにするのもいいでしょう。
また、長町の冬の風物詩と言えば「薦掛け」です。薦(こも)とは藁(わら)で編んだ筵(むしろ)のことで、雪から土塀を守るために設置されるものです。
武家屋敷通りは工芸品がいっぱい
長町武家屋敷通りには工芸品のお店が点在しています。九谷焼の老舗、藍染め専門店、食器専門店、工芸アクセサリー店など、ちょっと寄ってみたいな…と思わせる店構えです。中には、カフェが併設されたお店もあります。
長町武家屋敷跡の見どころ#4
風情のある長町武家屋敷跡を彩る工芸品店
長町の住人はA級ライセンス!?
現在も人々が日常生活を送る長町。当然のことながら、長町で暮らす人たちは自家用車で土塀の街を行き来します。
時折、プロのタクシードライバーでさえも苦戦する「長町武家屋敷通り」に自家用車が入って来ます。そして、直角に2度曲がる “S字カーブ” のような難所を、スイスイと通り抜けていきます。長町のドライバーの運転スキルはA級ライセンスのようです。
こちらは金沢観光サイトです
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大野庄用水沿いは和菓子&記念館
長町のもうひとつの散策ルートが大野庄用水です。前田利家が金沢城を築城した際には、大野庄用水を利用して材木を運んだと伝えられていますので、400年以上も流れ続けています。
長町武家屋敷通りでは、カメラを構える旅行者の邪魔にならないように気を遣うこともあるのですが、大野庄用水沿いでは皆さん思い思いのスピードで散策を楽しんでいます。ゆっくりと時間が過ぎていく金沢ならではの道と言えます。
長町武家屋敷跡の見どころ#1
大野庄用水は武家屋敷跡のある長町の象徴
記念館は小さな思い出づくり
大野庄用水には、長町一の橋から長町八の橋まで8本の橋が架かっており、一の橋から六の橋までは橋の袂にお立ち寄りスポットがあります。
まず、現代の街並みとの境界にあたる長町一の橋には、前田土佐守家資料館と金沢市老舗記念館という2つのミュージアムがあります。いずれも有料のミュージアムですが、美術館や記念館を巡るのがお好きな方には興味深い施設です。
長町三の橋には武家屋敷跡 野村家
長町三の橋にあるのが武家屋敷跡 野村家です。ここはミシュランが二つ星を付けた庭園が最大の見どころで、2階のお茶室から庭園美を堪能するのもお奨めです。なお、野村家は有料の施設となっています。
フラッと立ち寄りたくなる無料施設
長町四の橋には旧加賀藩士高田家跡があり、長町五の橋から六の橋にかけては金沢市足軽資料館があります。いずれも無料の施設ですが、掲示されている説明文が充実していますので、歴史に興味のある方はどうぞお立ち寄りください。
足軽資料館の遊歩道の終わりに架かる長町六の橋が、長町武家屋敷跡の終点です。大野庄用水に別れを告げ、六の橋から直線の緩やかな坂道を上っていくと、前田利家公が祀られている尾山神社に出ます。
長町武家屋敷跡の見どころ#6
足軽資料館は長町五の橋にある充実の無料施設
大野庄用水沿いは甘味通り
大野庄用水沿いには和菓子屋さんや和風カフェがいくつもあります。
和菓子屋さんでは和菓子がバラ売りされています。お天気の良い日には、美味しそうに見える和菓子をひとつ買って、情緒のある街並みを眺めながら食べるのも粋です。和菓子屋さんの中にはサービスでお茶を出してくれるお店もあります。
長町武家屋敷跡の見どころ#3
和菓子休憩は長町武家屋敷跡の楽しみの1つ
長町の町名の由来は?
長町という名前の由来には2つの説があります。細長い町域から長町と名付けられたという説と、藩政期の加賀八家のひとつ長(ちょう)家がこのあたりに住んでいたことから、長家の町で長町となったという説です。
ただ、長家の上屋敷が隣町の玉川町にあったことから、長い町で「長町」となったとする説が有力です。
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