11月15日付の北國新聞に、ひがし茶屋街のお茶屋・八の福 (はのふく) から新花さんがお披露目されるという記事が掲載されていました。
お披露目されるのは福島県出身で18歳の和花 (わか) さんで、12月3日に新人芸妓としてお座敷デビューします。金沢での新花さん (新人芸妓)は、2023年10月に同じ「八の福」からお披露目された万琴さん以来2年ぶりとなります。
記事によると、和花さんは幼い頃から芸妓に憧れていたそうで、優しくも芸には厳しいお姉さんたちのようになりたいと日々修行に励んでいるとのことです。

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ネットで調べて金沢を選択
和花さんは幼い頃、父から芸妓の存在を聞いて興味を持ち始めました。
地元では花街の文化に触れる機会がないため、インターネットなどで全国の花街を調べていくうちに、地方 (じかた) と立方 (たちかた) の両方を学べる金沢で芸を身につけたいと考えるようになったそうです。
今年3月に地元の高校を卒業し、4月から金沢に移り住んで日本舞踊や長唄、三味線の稽古に打ち込んでいます。和花さんは「最初はぎこちなかったけど、少しずつできることが増えていくのが楽しい。毎日のお稽古は楽しいです」と語っていました。

来年は金沢おどりの初舞台
和花さんは今年の「第22回 金沢おどり」を初めて鑑賞し、華やぎの舞台に心が躍ったそうです。北國新聞の取材に対し「来年はお姉さん方と一緒の舞台に立ちたい。ドキドキしている」と語っていました。
八の福の女将の福太郎さんは「お姉さん方の良いところを見て、素直にコツコツと積み重ねていってほしい」と期待を寄せていました。

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4人続けて「ひがし」からのお披露目
金沢の三茶屋街でのお座敷デビューはコロナ禍以降で5人目ですが、興味深い傾向が出ていまして、4人連続でひがし茶屋街からのお披露目です。特に、八の福からは3人連続での新花さんの誕生となります。
◆コロナ禍以降にお披露目の新花さん
2022年7月 主計町「まゆ月」寿珠(すず)さん
2022年11月 ひがし「八しげ」美紅(みこう)さん
2023年2月 ひがし「八の福」以と(いと)さん
2023年10月 ひがし「八の福」万琴(まこと)さん
2025年12月 ひがし「八の福」和花(わか)さん
万琴さんから和花さんの間が2年以上も空いたのは、2024年の元日に発災した能登半島地震の影響があったのかなと思います。

石川県外の人は「ひがし」に憧れ
新幹線開業以降にお披露目された新花さんの大多数が石川県外から金沢に移住してきた女性でした。ですので、どうしてもテレビで紹介される機会の多い「ひがし」に人が集まるのは分かります。
しかしながら、コロナ禍の以前は主計町でも新花さんが出ていたのですが、ここにきて「ひがし」の一極集中になってきました。確かに、未知の世界に飛び込もうとする女性にとっては、年齢の近い先輩がいる職場の方が安心できますよね。

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金沢のお茶屋は減少傾向
現在、金沢のお茶屋は減少傾向にあります。
北陸新幹線が開業した2015年の時点では、ひがしが7軒、にしが5軒、主計町が4軒の計16軒のお茶屋があったのですが、10年後の2025年11月現在では、ひがし4軒、にし5軒、主計町3軒の計12軒となりました。
店仕舞いしたお茶屋の多くは、女将が高齢化し後継者もいないという状況での閉店でした。
一見さんお断りからの脱却を
私は東京や京都といった大都市の花街の現状は知りません。金沢に限って言えば、大旦那がいなくなったことが大きな要因だと思います。大旦那というのは、お金をケチりませんよね。大旦那が支援する環境で金沢の花街は栄えてきました。
とは言え、21世紀の経済状況や社会状況では、昔ながらの大旦那はそうそう出てこないでしょう。
私はこのサイトで、金沢の茶屋街は「一見さんお断り」を脱却すべきという考えをたびたび書いてきましたが、茶屋経営の安定のため、一見さんも受け入れてはどうでしょうか。
一見さんの問題点はキャンセル
これは花街に限ったことではありませんが、また、金沢だけに限らないことですが、新しいお客様の予約を受ける際のリスクは「キャンセル」です。特に、海外からの観光客は、日本人に比べて当日にキャンセルをすることに罪悪感はありません。
金沢の茶屋街が一見さんを受け入れるのでしたら、一見さんは前払い制とし、悪天候や交通障害などのやむを得ない理由以外は、キャンセルに伴う返金はしないとする必要があるでしょう。
前払い制にすると“お座敷遊び”の世界が世知辛くなってしまいますが、例え世知辛くなったとしても、一見さんを受け入れていくべきだと思います。

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