長町四の橋に佇む高田家跡、ちょっと見ていく?

長町武家屋敷跡の見どころ#5

金沢で古くから観光地として整備されたのが長町武家屋敷跡です。

近年は浅野川沿いの「ひがし茶屋街」が若い女性に大人気ですが、ひがし茶屋街のテーマパークのような高揚感とは違い、長町を訪れる観光客の方は藩政期の街並みをゆっくりと楽しんでいるように見えます。

一帯を塀で囲まれ財力と地位のある人だけが歩くことを許された茶屋街と、藩士が普通の日常生活を送っていた長町は、21世紀の今日もそれぞれの特徴が出ています。

長町は基本的には金沢の中心街に近い住宅街で、路地は地元の人たちにとっては生活の道です。また、旧い木造建築にカメラを向ける人も多く見かけますが、その家屋が普通の民家であることもよくあります。

中級武士の家にも日本庭園が備わっています



中級武士の門構えと庭園

長閑な雰囲気を感じる長町の武家屋敷跡には、無料で見学できる旧加賀藩士の住居跡があります。それが「旧加賀藩士高田家跡」です。長町を流れる大野庄用水に架かる「長町四の橋」の十字路にあります。

大野庄用水はすぐ近くの犀川から取水している用水で、水の流れに沿って「一の橋」「二の橋」「三の橋」「四の橋」と続きますが、四の橋まで来ると江戸時代から現代へと街並みが変わっていきます。

「このあたりで武家屋敷もお終い?」という位置にあるのが高田家跡です。

門を入ると大きな松の木が見られます

金沢旅行での観光ガイドを承ります



長町のアクセサリーのひとつ

十字路に面している立派な門構えに誘われるように門の前まで行き、入館料が無料と記されていることを確認すると、「ちょっと見ていく?」という感じで立ち寄る人が多く見られます。

敷地内には庭園をはじめ、奉公人の住居(仲間部屋)や馬を繋ぐ場所(厩)が残されています。庭園は小規模ながらも池を中心とした池泉回遊式庭園の様式で造られており、藩政期の中級武士の豊かな居住環境が伺えます。

仲間部屋(ちゅうげんべや)と厩(うまや)

お時間があれば説明パネルを

庭園と隣接して仲間部屋と厩が残されています。

奉公人の住居である仲間部屋では、武家の奉公人の生活状況を伝える説明パネルが掲出されています。また、厩には金沢の武家社会の説明パネルが設置されています。歴史に興味のある方には意外な掘出し物と言える施設です。

歴史好きの方には興味深い仲間部屋

晴れた日には小休憩も

旧加賀藩士の高田家は、藩主の前田家から550石を与えられた中級武士で、加賀藩士の6つの階級の中では上から3番目の平士(へいし)に位置していました。

この施設は、サクッと見学して次の目的地に向かうこともできますし、お天気の良い日でしたら少し庭園を歩かれるのもいいかと思います。また、木のベンチに腰掛けて庭園を眺めながら一休みされるのもいいでしょう。

厩にも説明パネルが掲出されています

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用水の流れに沿っていくと金沢駅方面

旧加賀藩士高田家跡から大野庄用水の流れに沿って歩いていくと金沢駅方面です。また、高田家跡から四の橋を渡って真っすぐに行き、せせらぎ通りを越えると金沢で一番の繁華街の香林坊に入ります。

せせらぎ通り沿いには飲食店が多くありますので、長町見学の前後にランチを取られるのもいいかもしれません。

このページでは長町一の橋から長町四の橋へ向かうという想定で話しを進めましたが、逆に「四の橋」から長町に入られる方は、そのままにし茶屋街まで足を延ばされるのもお勧めです。

にし茶屋街へは長町一の橋から10分ほどの距離です。また、にし茶屋街の手前には室生犀星記念館があります。

お勝手口は風情を感じる撮影スポットです

旧加賀藩士高田家跡

住所 金沢市長町2-6-1
TEL 076-263-3640(足軽資料館)
時間 午前9時30分~午後5時(無料)
定休 無休

長町武家屋敷跡の見どころ#1
大野庄用水は武家屋敷跡のある長町の象徴

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2016年5月25日