2017年2月25日付の北國新聞に「ひがし茶屋街 無電柱化」という見出しの記事が掲載されていました。
記事によると、金沢市ではひがし茶屋街の旧一番丁通りの210m(道幅2.1m程度)と、観音通りの420m(道幅4.5m程度)で、無電柱化工事の詳細設計に着手するとのことです。
北陸新幹線の開業を契機に観光客が増えており、街並みの景観の観点から電柱のない区域を拡大するもので、金沢市では新年度の当初予算案に、計7つの通りの無電柱化にかかる事業費として2億3400万円を盛り込みました。
観光の導線から浅野川寄りが無電柱に
東京都の小池知事が打ち出している無電柱化は、金沢市でも少しずつ進められています。東京の場合は、震災時に倒れた電柱で道路が封鎖されないことが大きな目的となっていますが、金沢の場合は景観の保全が最大の理由です。
ひがし茶屋街では、メインストリートの二番丁と、前述のとおり、大通りから二番丁へのメインの導線となる東山木町通りの電柱が撤去されています。
今回、無電柱化が進められる通りは、二番丁から浅野川寄りに1本入った一番丁と、一番丁からさらに浅野川寄りに1本入った観音通りで、浅野川大橋からメインストリートまでのルートの大部分が無電柱となります。
一番丁は、かつて『東の廓』の一角となっていたエリアで、現在は落ち着いた雰囲気の工芸品店、レストラン、カフェ&バーなどが並んでいます。
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観音通りは地元に根付いた商店街
このページのトップ写真に掲載した観音通りは、2011年(平成23年)4月に指定された卯辰山麓伝統的建造物群保存地区に位置しており、大通りから入ると古くから地元の人たちに親しまれてきた商店街が続き、少しずつ閑静な住宅街へと景観が変わっていきます。
観音通りの経田屋米穀店は国の登録有形文化財となっている他、芸妓さんが通う髪結い処や、昭和の時代を彷彿とさせるレトロな郵便ポストが見られるなど、明治から昭和にかけての風情を感じることができます。
井上雪さんの著書『廓のおんな』には、同著の主人公で、大正時代に “東の三羽烏” の一人と謳われた名妓・鈴見さんが、年季が明けた後に観音通りに居を構えたと記されています。
また、観音通りには旧い町家を改装したカフェや工芸品店が点在しています。ひがし茶屋街のメインストリートの喧騒を離れて少しゆっくりと休憩したいという方は、観音通りで一休みされるといいでしょう。
ちなみに、旦那衆のお座敷遊びの場であった一番丁から、人々の生活の場である観音通りへと向かう細い路地には、ミシュランで一つ星に評価された『鮨 みつ川』があります。
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