2022.7.4追記
6月28日に兼六園の噴水の高さが急減していることを異常事態のように記しましたが、7月2日の時点で元の高さに戻っていました。兼六園の水源となっている辰巳用水で水量の調整が行われていたのかもしれません。
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2022.6.28掲載記事
日本三名園のひとつ兼六園で異常事態かもしれない現象が起こっています。それは、庭園美を彩る貴重なアクセントとなっている噴水の勢いが落ちていることです。もしかすると、カラ梅雨の影響を受けているのかもしれません。
兼六園の傾斜地に作られた噴水は、すぐ上にある霞ヶ池が水源となって、地下に石管を通して、高低差による自然の水圧によって水を噴き出しています。逆サイフォンと呼ばれる原理で、吹き上げられる水の高さは3.5m前後にもなります。
この噴水は日本最古の噴水だと言われています。かつてはもっと古い噴水があったらしいのですが、その噴水が現在はなくなっていることから、現存する日本最古の噴水と表現するのが正確なようです。
冬よりも夏場の方が水位が低い
兼六園の噴水は電動式ではなく自然の力で動いていることから、24時間休むことなく水を噴き出しています。ただ、水源となっている霞ヶ池(かすみがいけ)の水位によって噴き出す水の高さが微妙に違い、夏場の方が若干低くなるそうです。
なるそうです、という表現を使うのは、見た目には冬場よりも水位が低くなったことが分からないほど差だからです。それが、私が見た6月27日(月)の時点では、明らかに低くなっていました。
噴き出す水の周囲には、落下する水音が響くように石が敷かれています。いつもは遠くからでも石を打つ水音が聞こえるのですが、昨日は、噴水の勢いがなく周りにある石に水が届かないことで水音が聞かれませんでした。
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噴水の勢い急減の理由は霞ヶ池
勢いのなくなった噴水を見て私が瞬間的に思ったのは、地面に埋め込んである石管が詰まったか、石管が壊れてしまったのかなということでした。また、石管の掃除のために意図的に推移を下げているのかなとも思いました。
噴水から、常磐ヶ岡と呼ばれる古びた趣きを漂わせる傾斜地を上って霞ヶ池に出ると、霞ヶ池の水位が明らかに下がっているのが分かりました。池の中の蓬莱島(ほうらいじま)と呼ばれる浮島の下にある石が剥き出しになっていました。
噴水への取水口に水が入らないのかも
蓬莱島以外にも、霞ヶ池を一回りすると、明らかに推移が下がっている地点がたくさん見られました。兼六園のシンボル・ことじ灯籠の足に水位が下がった痕跡が見られた他、普段は水の下にあるはずの沿岸の石が乾いている様子も見て取れました。
霞ヶ池の水位が著しく下がったことで、噴水への取水口に水が入らなくなったのかもしれませんね。
水位が下がったと言っても、今の時点では、それによって池の景観が損なわれているわけではありませんし、はじめて兼六園を訪れる方は、水位に意識が行くことはおそらくないと思います。とは言っても、地元の人間としてはとても気になるところです。
金沢は都市型テーマパーク!
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カキツバタの葉が枯れています
霞ヶ池の水は、犀川の上流から取水している辰巳用水が兼六園の手前で枝分かれして園内に入り、曲水と呼ばれる小川を通って霞ヶ池へと流れ込みます。
ということで、霞ヶ池の水源である曲水も見てみました。私は曲水の水量を毎日チェックしているわけではないものの、私の感覚では、流れている水の量が減っているようには見えませんでした。ただ、ひとつ気にかかることがありました。
それは曲水の沿岸のカキツバタが枯れていたことです。カキツバタはお花見の頃から葉が伸び始め、5月下旬に紫の花を咲かせます。6月下旬の今頃は、花が散って葉っぱだけが伸びていく時期です。そして、夏が終わるとカキツバタの葉も枯れます。
今年のカキツバタはちょっとおかしい
例年ですと、まだまだ緑を保っているカキツバタの葉が6月下旬に枯れ始めるのは、異常気象で水が少なくなっていることが要因かもしれませんね。しかし、私は今年のカキツバタはちょっとおかしいとも感じています。
私は金沢を訪れる方のガイドをすることがありますので、月に何回かは兼六園を訪れるのですが、今年はカキツバタが咲く時期が2週間ほど遅れました。例年は5月下旬に満開となるのに、今年は6月上旬にやっと満開になりました。
今年の冬は気温が低かったことから開花が遅れたのかもしれませんが、別の要因があるように感じます。コロナ禍によって、兼六園は2年連続でカキツバタの季節は臨時休園でした。そのため、人員不足などで満足な手入れができなかったのかもしれませんね。
もし、コロナ禍によって兼六園の植物に影響が出ているのでしたら気がかりです。
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