長町武家屋敷跡-土塀の街並みはヨーロピアンのお気に入り

長町武家屋敷跡の武家屋敷通り

金沢の観光名所#6

江戸時代の景観が残る街並みとして、昭和の頃から金沢の観光名所のひとつとなっていたのが長町武家屋敷跡です。今では、土塀が続く景観はヨーロッパから訪れる方の人気スポットとなりました。

ここは藩政期に中級武士が暮らしたエリアで、中級武士の格式を示す長屋門が土塀の街並みに威厳を加えています。また、長町の大切な景観となっているのが、土塀に沿って流れる大野庄用水で、長町二の橋は人気のインスタ映えスポットです。

長町を訪れる人は、異口同音に「ここを歩いていると落ち着くよね」という感想を抱いてくれます。どこからどこまでが武家屋敷跡という境界線はなく、いつの間にか土塀の街並みに入り込んで、気が付くと現代の街並みに戻っています。

この街は、今も一般市民が日常生活を送る住宅街です。

土塀の街並み
土塀の続く街並みは今も住宅街です

加賀藩士は職住接近の好環境!?

長町武家屋敷跡は、金沢で一番の繁華街・香林坊の裏手に位置し、金沢21世紀美術館兼六園金沢城公園といった観光名所へは隣町のような近さで、徒歩10分程度です。加賀藩の中級武士は職住接近の好環境で働いていました。

地形的には香林坊から坂を下ると長町です。坂下にあるところが上級武士との階級の差なのかもしれませんね。

長町武家屋敷跡が3分でわかる画像集



長町観光の中心は長町二の橋

長町の散策ポイントは2つあります。1つがせせらぎ通りと大野庄用水を結ぶ長町武家屋敷通り、もう1つが長町一の橋から六の橋までの大野庄用水沿いの道です。そして、武家屋敷通りと大野庄用水が交差するポイントが長町二の橋です。

北陸新幹線の開業以降、金沢には多くの外国人観光客が訪れるようになりました。海外からのお客様の中でも長町を気に入ってくれるのはヨーロッパの人たちです。特に、イタリア、フランス、スペインなどのラテン系の方に大人気です。

長町散策の中心となっている長町二の橋では、外国人観光客が様々なアングルから写真を撮っています。橋の欄干や用水沿いの石垣といった細かい部分にもカメラを向けるところに、欧州人の文化への接し方を感じます。

長町二の橋
ヨーロピアンに大人気・長町二の橋

お客様は1日1組です
金沢旅行での観光ガイドを承ります



曲がり真っすぐは藩政期の名残り

長町二の橋を渡ると長町武家屋敷通りです。ここから観光ガイドブックで目にする土塀の街並みが続きます。この道を歩くと、まっすぐに伸びている道が少しだけ曲がっていることに気付かれることでしょう。

これは金沢の人たちが「曲がり真っすぐ」と呼んでいる道路形態で、直線のように見える道を微妙に曲げながら、金沢城から遠ざかっていくように作られています。

また、曲がり真っすぐの突き当りを右に曲がると、またすぐに突き当りがあり左に曲がるなど、街中に作られた「あみだくじ」のようにジグザグと進みます。これが武家社会だった金沢の道です。

武家屋敷通り
微妙に曲がっているところが武家社会の道

長町武家屋敷跡の見どころ#2

長町には雨が似合います

石川県は年間の降雨日数が全国1位です。年間170日以上、2日に1日くらいは雨が降ります。せっかくの旅行なのに雨ばっかり…ということもあり得ますが、金沢には旅行者に慰めとなる言葉があります。それは「金沢は雨の似合う街」です(笑)。

中でも、長町には雨がよく似合います。天気予報で「夕方頃に雨が降るでしょう」というような予報が出ていましたら、雨の降りそうな時間帯に長町を訪れるスケジュールにするのもいいでしょう。

また、長町の冬の風物詩と言えば「薦掛け」です。薦(こも)とは藁(わら)で編んだ筵(むしろ)のことで、雪から土塀を守るために設置されるものです。

薦かけ
長町武家屋敷跡の冬の景観は薦掛け

武家屋敷通りは工芸品がいっぱい

長町武家屋敷通りには工芸品のお店が点在しています。九谷焼の老舗、藍染め専門店、食器専門店、工芸アクセサリー店など、ちょっと寄ってみたいな…と思わせる店構えです。中には、カフェが併設されたお店もあります。

鏑木商舗
九谷焼の老舗・鏑木商舗

長町武家屋敷跡の見どころ#4

長町の住人はA級ライセンス!?

現在も人々が日常生活を送る長町。当然のことながら、長町で暮らす人たちは自家用車で土塀の街を行き来します。

時折、プロのタクシードライバーでさえも苦戦する「長町武家屋敷通り」に自家用車が入って来ます。そして、直角に2度曲がる “S字カーブ” のような難所を、スイスイと通り抜けていきます。長町のドライバーの運転スキルはA級ライセンスのようです。

金沢は都市型テーマパーク!

トップページの観光メニューへ

行程はオーダーメイドです
金沢旅行での観光ガイドを承ります



大野庄用水沿いは和菓子&記念館

長町のもうひとつの散策ルートが大野庄用水です。前田利家が金沢城を築城した際には、大野庄用水を利用して材木を運んだと伝えられていますので、400年以上も流れ続けています。

長町武家屋敷通りでは、カメラを構える旅行者の邪魔にならないように気を遣うこともあるのですが、大野庄用水沿いでは皆さん思い思いのスピードで散策を楽しんでいます。ゆっくりと時間が過ぎていく金沢ならではの道と言えます。

大野庄用水
大野庄用水

長町武家屋敷跡の見どころ#1

記念館は小さな思い出づくり

大野庄用水には、長町一の橋から長町八の橋まで8本の橋が架かっており、一の橋から六の橋までは橋の袂にお立ち寄りスポットがあります。

まず、現代の街並みとの境界にあたる長町一の橋には、前田土佐守家資料館金沢市老舗記念館という2つのミュージアムがあります。いずれも有料のミュージアムですが、美術館や記念館を巡るのがお好きな方には興味深い施設です。

老舗記念館
「長町一の橋」の袂に佇む老舗記念館

長町三の橋には武家屋敷跡 野村家

長町三の橋にあるのが武家屋敷跡 野村家です。ここはミシュランが二つ星を付けた庭園が最大の見どころで、2階のお茶室から庭園美を堪能するのもお奨めです。なお、野村家は有料の施設となっています。

武家屋敷跡野村家
武家屋敷跡 野村家は「長町三の橋」の袂

フラッと立ち寄りたくなる無料施設

長町四の橋には旧加賀藩士高田家跡があり、長町五の橋から六の橋にかけては金沢市足軽資料館があります。いずれも無料の施設ですが、掲示されている説明文が充実していますので、歴史に興味のある方はどうぞお立ち寄りください。

足軽資料館の遊歩道の終わりに架かる長町六の橋が、長町武家屋敷跡の終点です。大野庄用水に別れを告げ、六の橋から直線の緩やかな坂道を上っていくと、前田利家公が祀られている尾山神社に出ます。

足軽資料館
足軽資料館

長町武家屋敷跡の見どころ#6

大野庄用水沿いは甘味通り

大野庄用水沿いには和菓子屋さんや和風カフェがいくつもあります。

和菓子屋さんでは和菓子がバラ売りされています。お天気の良い日には、美味しそうに見える和菓子をひとつ買って、情緒のある街並みを眺めながら食べるのも粋です。和菓子屋さんの中にはサービスでお茶を出してくれるお店もあります。

和菓子屋さん
ちょっと歩き疲れたら和菓子休憩を

長町武家屋敷跡の見どころ#3

長町の町名の由来は?

長町という名前の由来には2つの説があります。細長い町域から長町と名付けられたという説と、藩政期の加賀八家のひとつ長(ちょう)家がこのあたりに住んでいたことから、長家の町で長町となったという説です。

ただ、長家の上屋敷が隣町の玉川町にあったことから、長い町で「長町」となったとする説が有力です。

長町武家屋敷跡への行き方

金沢の地図が表示されない時は「リロード↺」

次の観光名所へ:金沢21世紀美術館-笑顔が満開のアート広場

長町武家屋敷跡の関連ページ

長町武家屋敷跡の見どころ

長町武家屋敷跡への行き方


長町武家屋敷跡の周辺スポット

長町武家屋敷跡から他の観光名所へ

主要な観光名所は8つ+金沢駅

金沢旅行の予備知識 #5
金沢では海外からのメイン顧客はイタリア人



ご旅行前に知りたい情報は?

金沢がイメージできるページです

1

金沢で主要な観光名所は1日で回れます。なぜなら、人気スポットが東京ディズニーランドと同じくらいのエリアに集っているからです。とりあえず見た!という感じでよろしければ、1日あれば充分です。

2

金沢では、1周約4.3kmの百万石通りが観光エリアです。金沢城公園~兼六園~21世紀美術館は隣接し、ひがし茶屋街と主計町は隣町です。近江町市場や長町武家屋敷跡へもご近所へ行くような感覚です。

3

バス移動では北陸鉄道バスの「1日フリー乗車券」をお買い求めください。料金は800円です。路線バスの210円区間と金沢周遊バスを購入日に何度でも利用できます。ほとんどの観光名所がカバーできます。

4

金沢駅は観光名所が集まる中心部から少し離れています。1泊の場合は駅チカの方が安心できるかと思いますが、2泊以上の場合は香林坊、片町、武蔵ヶ辻などの繁華街に宿泊する方が圧倒的に便利です。

このサイトのトップページへ

金沢観光の-MENU-になります

時間を買う感覚でご活用を
金沢旅行での観光ガイドを承ります



  • この記事を書いた人
  • 最新記事

金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

2016年5月14日