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長町武家屋敷跡への案内板が付け替え

2019年8月3日

2019.8.3掲載

本日は、藩政期の土塀の街並みを保存している長町武家屋敷跡の小さな話題をご紹介します。

長町武家屋敷跡へは、金沢で一番の繁華街・香林坊から坂を下って「せせらぎ通り」に出て、長町へと入っていくルートが一般的です。つい最近、せせらぎ通りに設置されている長町武家屋敷跡への案内板が付け替えられました。

これまでの茶色地に白文字というシックな色使いから、白地に黒文字という明るいデザインに変わりました。2019年6月の時点では以前のデザインでしたので、変更になったのはつい最近のようです。

シックな案内板から分かりやすく

せせらぎ通りは小川(鞍月用水)沿いにあるハイセンスな商店街です。蛇行しながら流れる小川に沿って、料理店やカフェ、ブティック、クラフトショップが並んでいます。人気のメガネ屋さんもあります。

小川沿いのお店に入る際に、小川に架かる橋を渡るというシチュエーションはヨーロッパの街並みのようです。

下の写真が以前の案内板です。茶色地に白い文字が映え、大人の雰囲気を漂わせる通りの景観を壊すことなく、さりげなくという感じで設置されていました。

以前のシックな案内板

もしかすると、以前の案内板は初めて訪れる方には分かりにくかったのかもしれません。そして、案内板に気付かずに通り過ぎる人が多かったのかもしれませんね。

「長町武家屋敷跡」という漢字はある程度は目立つのですが、その下に記されているアルファベットが小さく、欧米からの外国人の方には分かりにくかったのではないかと推測できます。

そのためか、アルファベットの文字が以前に比べて大きくなっています。

新しい案内板はアルファベットが大きく

私は以前の案内板がとても好きだったので、新しい案内板に変わったのは少し残念です。

今回の付け替えを行ったのが金沢市役所なのか、せせらぎ通り商店街や長町の町内会が行なったのかはわかりませんが、地元の人たちとしては、案内板のデザインを変えたくなかったのではないかと思います。

なぜなら、金沢は外観から入る街だからです。

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外観から入る金沢には苦渋の決断!?

せせらぎ通りの案内板の付け替えは、私が知る限り地元の新聞やテレビでは報じられていません。それほど小さな出来事ですが、私にはとても興味深く感じました。

現代まで残っている江戸時代から明治、大正あたりまでの建物を見ると、100年前の金沢はお洒落な街だったと思います。

その一方で、戦後から1990年代までの金沢は、外観よりも実用的な街へとシフトしていた時期でした。その金沢の街を美しく変えていったのが前の金沢市長の山出保氏です。

山出氏は、金沢駅に鼓門ともてなしドームを作り、金沢駅は「世界で最も美しい駅」のひとつになりました。また、兼六園の向かい側に建設した、UFOのような外観の金沢21世紀美術館はベネツィア・ビエンナーレ建築部門で金獅子賞に輝きました。

さらに、泉鏡花記念館金沢蓄音器館鈴木大拙館などのインスタ映えするミュージアムを次々にオープンさせました。その結果、金沢は観光で訪れる女性の方から「お洒落な街」「綺麗な街」と言われるようになりました。

古いものと新しいものが融合する金沢

この記事でご紹介している「せせらぎ通り」も、前の市長が整備した景観です。

道が狭い金沢では自動車社会に対応するため、藩政期の初期に引かれた用水に蓋をして道路を拡張しました。せせらぎ通りを流れる鞍月用水も暗渠化され、駐車スペースとして活用されていました。

前市長の山出氏は、鞍月用水の上に掛けられていた蓋を開け、用水のせせらぎを復活させました。そして、用水沿いの街並みをヨーロッパのようにシックに美しく整えていきました。

その過程で、お洒落な街並みにマッチするように取り付けられたのが、茶色地に白文字の案内板でした。

街の景観とマッチした以前の案内板

私は、個人的には以前の案内板の方がデザインセンスを感じます。特に青空をバックにした景観は最高でした。それを白地に黒文字の案内板に変えるのは、地元商店街の人たちにとっては内心忸怩たる思いがあったのではないでしょうか。

ちょっと残念な気がします。

この案内板は藩政期の街並みへの入口

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