2022年7月4日付の北國新聞に、金沢の茶屋街で3年ぶりの新花さんが誕生するという記事が掲載されていました。新花さんとは花柳界などで使われる言葉で、新人芸妓という意味です。
今回お披露目されるのは宇都宮市出身の沼尾知佳さんで、主計町茶屋街の「まゆ月」から寿珠(すず)の名前でお座敷にデビューします。お披露目は7月28日です。
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日本女子大学の卒業の24歳
記事によると、寿珠さんは幼いころから芸事に興味があり、日本女子大学在学中の18歳の時に東京の養成学校で日本舞踊に触れ、就職後も寿柳流の寿柳寿々司朗さんのもとで稽古を重ねました。
主計町は寿柳貴彦宗家家元が舞踊師匠を務め、寿柳寿々司朗さんが代稽古で芸妓を指導しています。
寿珠さんは昨年の金沢おどりを鑑賞。三茶屋街の芸妓が総出演する華やかな舞台に憧れ、金沢は芸妓を支援する環境が充実しているという寿々司朗さんの後押しもあって芸妓になる決意をしました。
源氏名は師匠と珠姫から一字ずつ
源氏名となる「寿珠」の名は、寿々司朗さんが自身の名と加賀藩3代藩主・前田利常の正室・珠姫から一字ずつ取って名付けました。9月22日~25日に開催される金沢おどりの総おどりにも出演を予定しています。
寿珠さんは「日本の伝統文化に魅かれ、芸の道に進みたいと決心した。皆様にかわいがっていただける芸妓になれるよう精進したい」と抱負を語っていたそうです。
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大学卒の芸妓さんは頑張っています
石川県外の方は、寿珠さんが日本女子大学を出ていることに驚かれたかもしれませんね。京都では義務教育を終えたばかりの女性が「舞妓はん」として修業を積むと聞きますが、金沢の茶屋街には20歳を過ぎて芸妓を志した方が多くいます。
主計町の「仲乃家」の桃太郎さんは金沢美術工芸大学の卒業ですし、ひがし茶屋街の「八の福」の佳丸さんは金沢大学を卒業して芸妓の道に入りました。お二人とも、今も芸妓として活躍しています。ぜひ寿珠さんにも末永く頑張ってもらいたいものです。
三茶屋街の芸妓は34名に
ひがし茶屋街、にし茶屋街、主計町茶屋街の三茶屋街では、2004年に始まった金沢おどりをきっかけに新花さんが次々とお披露目され、特に北陸新幹線が開業した2015年以降は、金沢芸妓に憧れる女性が生まれ育った故郷から金沢へと居を移しました。
金沢の芸妓さんの数は2017年に46名まで増えたものの、熟練の技を持った高齢の芸妓さんの引退や死去、さらには新型コロナの影響によるお座敷やイベントの激減で花街を去る芸妓さんが出たこともあって、現在は33名まで減少しました。
今回、寿珠さんが加わることで三茶屋街の芸妓さんは34名となります。
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まゆ月の姉妹店が暗がり坂に
北國新聞の紙面には、寿珠さんがお披露目される「まゆ月」の女将のまゆさんに関する記事も掲載されていました。まゆさんは、7月7日に主計町の暗がり坂の坂下に姉妹店「まゆ月 くらがり坂」をオープンします。
お店は、まゆさんが親交のあった米国人木版画家の故クリフトン・カーフ氏のギャラリーの跡地にオープンするもので、ギャラリーの内部を改装し、カーフさんの作品も展示するとのことです。
また、姉妹店は一見さんお断りではなく気軽に立ち寄れるお店とし、テーブル席やお茶室を備え、昼はカフェとして営業の予定です。
まゆさんは、北國新聞の取材に対し「主計町の町名復活とともにお茶屋さんを開いて23年。コロナ下で新しい挑戦ができることに感謝し、若い芸妓さんを育てながら、少しでも茶屋街に貢献できればうれしい」とコメントしていました。
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