福島県出身の20歳の専門学校生
2019年2月14日付の北國新聞に、主計町茶屋街に新花(新人芸妓)さんがお披露目されるという記事が掲載されていました。
今回お座敷にデビューするのは、主計町茶屋街「まゆ月」の咲羽(さわ/本名:三浦亜衣実)さんで、3月3日にお披露目されます。
記事によると、咲羽さんは福島県二本松市出身の20歳の専門学校生で、金沢の情緒ある街並みを気に入り「ここに住みたい」と決断したとのことです。咲羽さんは「芸妓として芸の上達を目指したい」と意気込みを語っていました。
映画「舞妓Haaaan!!!」を見るなどして、幼少期から花街に憧れを持っていたという咲羽さんの漠然とした思いが決意に変わったキッカケは、映画「舞妓レディ」だったそうです。
高校3年の時に金沢を訪れ、細い路地や町家が残る街が好きになりました。そして、福島の高校を卒業後、「芸妓になりたい」との思いを秘めながら金沢の専門学校に進学しました。
浅野川沿いにある主計町の風情にひかれ、昨年9月、まゆ月の門をたたき、女将のまゆさんの勧めで金沢おどりを鑑賞し、感銘を受けた内容をびっしりと感想文にしたためました。
咲羽さんは「華やかでお姐さん方が本当にきれいでした」とコメントしています。
金沢踊りに感銘を受けた翌月には両親にも芸妓になることを報告しました。咲羽さんは「驚いていたが、応援してくれている」とほほ笑んだとのことで、3月には専門学校を卒業します。
「咲羽」という源氏名は、「金沢で花が咲き羽ばたいてほしい」と女将のまゆさんが名付けました。
まゆさんは「金沢で芸妓になりたいという思いがうれしい。芸の修行は大変なことも全部が身になる。皆様にかわいがっていただける芸妓になってほしい」と新花に期待を込めたとのことです。
紙面には、着物姿でニッコリとほほ笑みながら、目を輝かせている咲羽さんの写真が掲載されていました。
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県外からの新花さんは覚悟が違うようです
石川県外で育った女性が金沢で芸妓を志してくれたというのは嬉しいですね。
ひがし、にし、主計町の三茶屋街での新人芸妓のお披露目は、2018年6月に、にし茶屋街の浅の家からお披露目された「つる」さん以来のことです。
これで三茶屋街の芸妓さんは総勢で46名となりました。内訳は以下のとおりです。
ひがし茶屋街 16名
にし茶屋街 19名
主計町茶屋街 11名
北陸新幹線が開業した2015年3月以降、石川県外の女性が、金沢に移住してお座敷デビューする例が目立って増えています。出身地も、北海道、横浜市、京都府、長野県、鳥取県、佐賀県など多岐にわたっています。
石川県外で育った女性にとっては、芸妓になる環境としては東京もあれば京都もあるわけですが、その中で金沢を選んでくれる理由として、毎年9月に開催している「金沢おどり」が貢献しています。
「わたしもあのステージに立ちたい」という思いで金沢芸妓の門をたたくようです。
さて、県外の女性がデビューするパターンは2つあります。
今回の咲羽さんのように金沢の大学・短大・専門学校を卒業して、金沢で芸妓さんを職業に選ぶパターンと、全く縁もゆかりもなく、いきなり金沢に移住するパターンです。
ちなみに、新幹線の開業以降にデビューした県外からの新花さんたちは、1人も欠けることなく、全員が金沢で頑張っています。県外の女性は、芸妓という職業に飛び込むに際しての覚悟が違うのかもしれませんね。
咲羽さんにも、ぜひ末永く頑張ってもらいたいものです。
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