2024年5月8日付の北國新聞に、兼六園が一般開放されてから150周年となり、内橋亭で記念茶会が開催されたという記事が掲載されていました。
加賀藩主の庭だった兼六園は、1874年 (明治7年) 5月7日に一般公開が始まりました。兼六園観光協会はこの日を「開園記念の日」に定め、記念茶会を毎年開催しています。
記事によると、記念茶会の参加者は、霞ヶ池にせり出した茶室から新緑の絶景を楽しみ、茶道宗和流弘友会のもてなしで優雅な一服を堪能したとのことです。
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珠洲焼の茶わんに輪島塗の菓子器
能登半島地震を受けて今年は復興を願う趣向となり、珠洲焼の茶わんや輪島塗の菓子器などが使われたほか、床の間には能登から寄せられた遅咲きのクリスマスローズが飾られました。
兼六園観光協会が節目を記念して製作したアルミ製の菓子切りと皿も用いられ、同協会の理事長が園内の茶店から出たアルミ缶を溶かして鋳直したことなどを説明しました。
金沢市の村山市長らも参加したとのことで、お茶会の収益の一部は震災義援金に充てられます。
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水亭に入れるのは年に1日だけ
内橋亭(うちはしてい)は、ことじ灯籠のある霞ヶ池に佇むお茶室で、池の水に浮かぶ水亭(すいてい)と、手前の陸の上に建てられたお部屋で構成されています。建物内に陸上のお部屋から水亭への橋があることから内橋亭と名付けられました。
通常は、手前の陸上のお部屋だけが茶店として営業しており、水亭は建物内の橋の手前から眺めるだけなのですが、開園記念日の5月7日に限っては、水亭も茶店として開放されています。
兼六園の景観における名脇役
霞ヶ池の中でも、ことじ灯籠、記念撮影の行列ができる虹橋、雪吊りで有名な唐崎松(からさきのまつ)は、写真の中央にデンと構える主役級の位置付けなのですが、内橋亭は写真の奥や端にさりげなく映り込む姿が似合います。
兼六園の景観における名脇役といった感じでしょうか。虹橋の後方にことじ灯籠があり、広大な霞ヶ池の対岸に小さく映り込む内橋亭は、景観のアクセントとして不可欠な存在です。
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150年前から金沢で一番の観光名所
兼六園が一般公開された1874年 (明治7年) から今日まで、兼六園は金沢で一番の観光名所として全国に知られてきました。特に、昭和の頃は金沢で唯一の観光名所と言っても良いくらいでした。
一般公開から100年以上にわたって、兼六園は24時間無料開放されていました。有料化されたのは1976年 (昭和51年) のことです。 無料の頃は、ご近所にお住いの会社勤めの方が通勤経路として通り抜けていたと聞きます。
私が子供の頃の兼六園はまだ無料の時代で、兼六園ではなく「兼六公園」と呼ぶ大人が多かったと記憶しています。ちなみに、現在は「兼六園下」と呼ばれているバス停は、私の子供の頃は「公園下」と呼ばれていました。
GWの入園者数は昨年より減少
北國新聞には、記念茶会の記事と併せてGW中の入園者数も報じられていました。金沢城・兼六園事務所によると、4月27日~5月6日の兼六園の入園者数は99,215人でした。
10万人を割り込むのは、コロナ禍を除くと2014年の87,551人以来で、管轄する石川県では「連休が前半、後半に分かれたことが影響したのではないか」と見ています。なお、1日平均の入園者数は9,922人で、前年比21%減となりました。
GWの兼六園への入園者数が2014年以来の10万人割れということは、北陸新幹線の開業が2015年3月ですから、新幹線の開業以降では、コロナ禍以外ではじめての10万人割れということになります。
北國新聞にも記されていましたが、例の「北陸割」がGW期間中は対象外だったことから、金沢へのご旅行を見送る人が多かったのかもしれませんね。
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