近江町市場の見どころ#6
観光都市・金沢の中でも有数の観光名所となった近江町市場には、毎日多くのお買い物客が訪れています。金沢の主婦の中には、家族にとっての大切な日の食材だけは、近江町市場までバスに乗って買い出しに行くという人が多くいます。
今では観光で金沢を訪れる人の予定表には、必ずと言っていいほど「近江町市場」が記されていますが、近江町市場が観光地となったのは1970年代後半のことです。
最近の近江町市場の特徴は、お買い物ではなく観光目的で訪れる人が増えていることです。金沢の人気スポットと金沢駅との中継地点に位置していることもあって、とりあえず見てみようという感じで、アーケードに入って行く人が多く見られます。
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午前か午後か迷ったら午前中に
近江町市場は時間帯によって色々な楽しみがあります。まず、午前中は生鮮食品が山盛りになっています。果物屋さんではカットされたフルーツが売られていますので、少しお腹が空いている時には “おやつ” 代わりに買われるのもいいでしょう。
お昼前後になると、地元の主婦たちも買い物に訪れますので “生金沢弁” に触れることができるかもしれません。午後4時を過ぎると店仕舞いの準備を始めるお店が見られます。1軒、また1軒とお店が閉店していく中を歩かれるのも風情があります。
時間帯に関わらず、市場の館内放送では「燃えるゴミの収集車が到着しました」という業務連絡が定期的にあります。これが夕刻時になると「不燃ごみ」や「段ボール」の収集車が到着したという放送も加わります。
武家社会だった金沢では基本的に “値切り” の慣習はありません。ただし、近江町市場のホームページによると、閉店間際にはスーパーと同じように少し値引いてくれるお店もあるようです。
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鮮魚エリアと青果エリアに分かれています
近江町市場を歩いていると、魚屋さんが集まっているエリアと、八百屋さんが集まっているエリアに分かれているような感じがするかもしれませんね。厳密ではありませんが、近江町市場では鮮魚エリアと青果エリアに分けられています。
近江町市場の見どころ#4
近江町の新しい楽しみ方「その場で食べる」
鮮度や値段の見比べが簡単です
現在は金沢でも有数の観光名所となっている近江町市場は、元々は個人商店が集まってできた商店街です。
多くの商店街では、魚屋さんが隣同士になっていることはあまりないですよね。また、八百屋さんの向かいに別の八百屋さんがあるということも少ないと思います。同業のお店は間隔を空けて営業するのが商店街の一般的な姿です。
その場合は、お買い物をする人は最も新鮮そうに見える魚や一番安い野菜を求めて、商店街を端から端まで歩かなければなりません。これは買い物をする立場から見ると不便です。
魚屋さんが3軒あるなら、一カ所に集まっていた方が食材を見比べるのに便利ですよね。
観光で訪れる方は鮮魚通りへ
近江町市場では、魚屋さんの集まっているエリアと八百屋さんの集まっているエリアに分かれていますので、お隣さんやお向かいさんのお店を順番に回って品定めをすることができます。
はじめて訪れる方に分かりやすいように、近江町市場では「エムザ口」から一直線に延びる通りを “鮮魚通り”、「むさし口」から延びている通りを “青果通り” と名付けています。観光で訪れる方は、まずは鮮魚通りからどうぞ。
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市場の正式名称は「青草辻近江町市場」
近江町市場が鮮魚エリアと青果エリアに分かれているのには、歴史的な背景があります。むさし口の入口の横に「官許 金澤青草辻近江町市場」という石碑が建っています。近江町市場の正式名称は「青草辻近江町市場」と言います。
元々は青果を扱う「青草辻」と、鮮魚を扱う「近江町市場」という別々の市場でした。そして、2つの市場が統合されて現在の近江町市場となりました。
中通りの下には用水が流れています
現在の市場で、青草辻と近江町市場の境界線にあたるのが中通りです。中通りは金沢城公園に近い十間町口と、ひがし茶屋街に近い市姫神社口を結ぶ通りで、中通りの下には辰巳用水が通っています。
辰巳用水は、藩政期には西内惣構(にしうちそうがまえ)というお堀でした。そして、現在のように用水が暗渠化される以前は、鮮魚を扱う近江町市場がお堀の内側に、青果を扱う青草辻がお堀の外側に置かれていました。
このような経緯で、中通りから金沢城に近いエリアには鮮魚店が、百万石通りに近いエリアには青果店が多く集まっているのです。
鋭い観察眼をお持ちの方は気付かれるかもしれませんが、中通りのお店の中には数段の階段があります。これは辰巳用水の右岸と左岸で高さが違っていたことから、店内に階段を設けて高さを調節しているのです。
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