金沢21世紀美術館の市役所口

金沢21世紀美術館の見どころ-美術館のイメージを覆す“アート広場”

金沢の観光名所#7

加賀百万石の城下町・金沢は、時がゆったりと流れていく街です。日本海側の雪国の例に漏れず、金沢の人たちも引っ込み思案の人が多く見られます。その一方で、心の奥には、新しいもの好きな市民性も隠し持っています(笑)。

2004年10月に金沢の新しさのシンボルとして誕生したのが金沢21世紀美術館です。現代アートの美術館で、地元では「21美」「まるびぃ」の愛称で親しまれています。今では、国内有数の来館者数を記録する人気ミュージアムとなりました。

美術館と言えば、来館者が静かにお行儀よく美術作品を鑑賞するというイメージがありますが、21美では訪れる人たちの笑顔があふれています。ここは “美術館” というよりも “アート広場” といった雰囲気です。

2024年10月27日投稿
祝!20周年。金沢21世紀美術館の功績とジレンマ

ここは美術館というよりもアート広場
金沢21世紀美術館の展覧会
・特別展「すべてのものとダンスを踊って-共感のエコロジ-」(11/2~3/16)
・コレクション展2「都市漂流」(10/12~1/19)



21美には垣根がありません

金沢21世紀美術館の大きなセールスポイントは、どこからでも、何度でも入ることができる垣根の低さにあります。各地の美術館には敷地に入る時点で有料となる施設もありますが、21美は館内の中央にある展覧会ゾーン以外は無料ゾーンです。

屋外展示されているラッパのオブジェをはじめ、館内の『タレルの部屋』などの恒久展示作品の多くが無料鑑賞できます。また、ミュージアムショップ、レストラン、トイレや、若い人たちに大人気の「ウサギの椅子」も無料で楽しめます。

屋外展示作品と道路の間に垣根がありません

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21美ではプールが一番人気です

金沢21世紀美術館の展示作品で最も知られている作品が『スイミング・プール』です。プールの下に人がいるという斬新なアイデアが数多くの全国メディアで紹介されてきました。この作品は有料ゾーンにあります。

観覧料金は展覧会によって異なります。プールを下から眺めることができる料金という基準でお知らせしますと、プールがコレクション展のエリアに入っている時は、一般が450円、大学生が310円、65歳以上が360円で、小・中・高校生は無料です。

一方で、プールが特別展のエリアに入っている時は特別展の料金となります。特別展の料金は展覧会によって異なりますが、1,200円が平均的な料金です。なお、前売り券は特別展のみで、コレクション展では前売りを行なっていません。

『スイミング・プール』は展示室6から地下へと降りていきます。金沢観光でプールの優先順位が高い方は、21美の公式サイトで、展示室6がコレクション展なのか特別展なのかを確認しておくといいでしょう。

『スイミング・プール』は21美の1番人気

プールの地下部は予約制になりました

『スイミング・プール』の地下部は、コロナ前までは並んだ順でのご案内だったのですが、密閉空間での感染拡大を防ぐために完全予約制となりました。マスクを着ける人が少なくなった現在も、プールの下に入るのは予約制のままです。

予約に際しては、1週間前の同じ曜日の午前9時から始まる「事前予約」と、当日の午前9時開始の「当日順番待ち受付」の2つがあります。詳しくは下記のページをご参照ください。

Check
金沢21世紀美術館の「スイミングプール」予約の詳細

プール下への入口は展示室6から

金沢21世紀美術館の見どころ#1
21美の楽しさの象徴『スイミング・プール』

開業当初は地元での評判が最悪

今でこそ、国内有数の人気美術館となった21美ですが、2004年のオープン当初は、街の真ん中に変なものを作るな!という声が多く寄せられました。前館長の秋元雄史氏の回顧録が「金沢21世紀美術館の嫌われぶりにおどろく」というコーナーから始まっているほどです。

21美の成長とともに金沢暮らす人たちの意識も変わっていきました。

無料ゾーンだけでも楽しめます

『スイミング・プール』の地下部の予約が取れずに諦めてしまった方も、プールの下に入るのさえ我慢すれば、無料ゾーンだけでも十分に楽しむことができます。

兼六園の真弓坂口から21美を訪れる方が、敷地に入ってまず目にするのが渦巻き状のカラフルなオブジェです。この作品では色の掛け合わせを楽しむのはもちろん、渦巻きの中から自分の姿を映すと太って見えるのも楽しみのひとつです。

渦巻き状のオブジェの隣には、ジャングルジムのような作品が展示されています。『ラッピング』という作品で、中に入って写真を撮り合う姿が見られます。

渦巻き状のオブジェとラッピング(右奥)

純粋に楽しいラッパのオブジェ

21美の建物の周囲にはラッパの形のオブジェが点在しています。これも21美の人気作品のひとつです。ラッパは全部で12体あります。どれかがどれかと地中で繋がっており、繋がったラッパ同士で遠く離れた相手と会話することができます。

本当に聞こえるの?という方もいらっしゃるかもしれませんが、本当に聞こえます(笑)。それも、大きくはっきりと聞えます。

私は個人的に、現代アートとは作品だけでは未完成だと思っています。現代アートとは作品と戯れる “人” が加わって完成します。だから、21美では写真を撮っても良いのです。21美では童心に帰ってアートと戯れてください。

「ラッパのオブジェ」と「まる」

金沢21世紀美術館の見どころ#4
屋外でも楽しめる21美のアート空間

館内の無料ゾーンも楽しさがいっぱい

21美の館内の無料ゾーンにも作品が用意されています。

『タレルの部屋』『雲を測る男』『市民ギャラリー』の3つが無料で楽しめる恒久展示作品で、中でも『タレルの部屋』は私のイチ推し作品です。吹き抜けの天井を眺めながら、ゆっくりと瞑想に耽るのもお奨めです。

天候や時刻で違う顔を見せるタレルの部屋

金沢21世紀美術館の見どころ#2
21美のコンセプトを表した恒久展示作品

奥まで行くと映えスポットに出会えます

館内の恒久展示作品は少しわかりにくい場所にあることから、インスタ映えする作品があることに気付かずに21美を後にする人が結構います。10分ほどでもお時間に余裕がありましたら、ぜひ無料ゾーンをくまなくご覧ください。

なお、有料ゾーンの『レアンドロのプール』と『緑の橋』も、ガラス越しに雰囲気を感じてもらうことができます。

「雲を測る男」と「緑の橋」

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SNSで人気が出た撮影スポットも

館内には、若い女性たちのSNS投稿から人気に火が付いた「ラビットチェア」と名付けられた椅子が置かれています。オープン当初は館内のアクセサリーのひとつとして設置されたのですが、想定を遥かに超える人気の撮影スポットとなりました。

それから、全面ガラス張りで、油圧の力で昇降するエレベーターも若い人たちに大人気です。ちょっと秘密の情報をお話ししますと、館内のトイレの中で地下のトイレが一番空いています。

金沢21世紀美術館は、いつでも、どこでも、何度でも立ち寄ることができるアート広場です。

21美では何もかもがアートに見える!?

金沢21世紀美術館の見どころ#3
アート感覚と利便性がマッチした21美の館内

金沢21世紀美術館の利用案内

入館料
コレクション展  一般=450円、大学生=310円、小中高生=無料、65歳以上=360円
特別展  一般=1,200円~ ※特別展の料金は展覧会によって異なります
開館時間
交流ゾーン  9:00~22:00 ※各施設の開室時間はそれぞれ異なります
展覧会ゾーン  10:00~18:00 ※金・土曜日は20:00まで
休館日
毎週月曜日 ※月曜日が祝日の場合は翌平日
TEL 076-220-2800 (代表)
金沢21世紀美術館ホームページ

Guide
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金沢21世紀美術館への行き方

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2016年5月14日