金沢21世紀美術館のプール地上部が5月1日から無料開放

2024年4月30日付の北國新聞に、金沢21世紀美術館で1番の人気作品『スイミング・プール』の地上部が、5月1日から無料開放されるという記事が掲載されていました。

記事によると、金沢21世紀美術館は29日、館内の大型展示作品『スイミング・プール』について、5月1日から地上部分を無料開放する方針を固めたとのことです。

元日の能登半島地震以降、同作品を含む有料の「展覧会ゾーン」は閉鎖が続いていますが、6月22日の全館営業再開に先駆けて人気スポットを公開し、大型連休中の賑わい創出につなげます。

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プールは金沢観光の目玉のひとつ

アルゼンチン出身のレアンドロ・エルリッヒ氏の作による『スイミング・プール』は、地上部と地下部から鑑賞できる作品で、2004年10月の開館以来、高い人気を維持しています。金沢観光の目玉のひとつと言っても良いくらいです。

金沢21世紀美術館は、元日の地震で展覧会エリアのガラス天井が損傷、落下するなどの被害を受け、約1か月間にわたって休館を余儀なくされました。

2月6日から無料の展示室を除く無料ゾーンで営業を再開したものの、集客力の高いプールには立ち入れず、来館者からは「プールが見たかった」と残念がる声が聞かれていました。

今年の4月は、近隣の兼六園や金沢城公園が観桜期の賑わいで過去最高の人出を記録する一方、関係者によると、21美の入館者数は伸び悩みが続いています。

こうした状況を受け、大勢の観光客が訪れる大型連休に合わせ、安全が確認されているプールの地上部のみを無料開放とすることにしました。なお、プール地上部は、全館で営業を再開する6月22日以降は有料となります。

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今回のプール地上部を無料開放することについては、もちろん私も大賛成です。

現在、21美では館内の無料ゾーン全体を使った展示会「POP UP ART」を開催中です。無料ゾーンですので観覧料は無料です。繁華街でのお買い物のついでに気軽に立ち寄れる21美の設立コンセプトを具現化した企画だと思います。

現在は有料ゾーンとなっている「プール地上部」は、2004年のオープンから15年近くにわたって無料開放されていました。しかし、入館者の増加にともなう危険を回避するため、2019年4月からプールの地上部が有料ゾーンとなりました。

確かに、ものすごい数の観覧者ですので、21美サイドでは、プールにスマホを落としたり、身体ごとプールに落ちる人が出てしまうと心配するのは理解できるのですが、入場制限をするなどして無料開放に戻してはどうでしょうか。

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北國新聞の記事を読む限りでは、プール地上部の無料開放は急遽決まったのではないかとの印象を持ちました。個人的な推測ですが、その契機となったのは、4月25日(木)に放送された『アメトーーク金沢大好き芸人』のような気がします。

番組の前半部に金沢の観光名所を紹介するコーナーがあり、兼六園やひがし茶屋街とともにプール地上部の映像が流れていましたので、21美に行けば「あのシーンを体感できる」と思われた観光客の方が多かったのではないでしょうか。

そして、テレビで見たから楽しみにして来たのに…、という来館者が大勢いて、急遽、無料開放を決めたのかもしれませんね。その意味では、先週のアメトーークは素晴らしい番組だったということですよね。

これまでにも当サイトで述べてきましたが、私は、金沢21世紀美術館は「美術館」というよりも「アート広場」だと思っています。この場所が楽しいから人が集まってくるのです。

私は観光ガイドという仕事に就いており21美にはよく行くのですが、21美で働く人たちの間には、ここは「美術館」なのだという固定観念と言いますか、先入観のようなものがまだまだ残っていると感じています。

もちろん、展示室では「美術館」として現代アートの作品を来館者に紹介して良いのですが、展示室以外では「アート広場」という認識で業務にあたるべきだと私は思っています。

21美で働く人たちが、21美をアート広場だと認識していれば、もっと早くプールの地上部を無料開放できたのではないでしょうか。とは言え、金沢21世紀美術館は楽しい施設です。

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