近江町市場-topics-

初売りの近江町市場は今年で開設300周年

2021年1月7日

2021年1月6日付の北國新聞に、金沢市民の台所・近江町市場の初売りの話題が掲載されていました。近江町市場は、毎年1月5日が初売り日です。金沢以外の生鮮市場でも初売りが5日というところが一般的みたいですね。

近江町市場は1721年(享保6年)に市場の原型ができたと伝えられています。今年は市場の開設からちょうど300周年です。

記事によると、寒ブリなど新鮮な魚介や青果を地元客が買い求める一方で、観光客は激減し、全体的に客足は少なかったそうです。新型コロナ対策で恒例の餅つきも中止され、開設300年の初売りは静かなスタートとなりました。

近江町市場の鮮魚通り



女人禁制から女性が主役へ

近江町市場の正式名称は「金澤青草辻近江町市場」と言います。現在は、地元でも全国的にも「近江町市場」の名前が浸透していますが、元々は鮮魚市場の近江町市場と、青果市場の青草辻という別々の2つの市場でした。

市場の中通りの下には辰巳用水が通っています。近江町近辺を流れる辰巳用水は、藩政期には西内惣構(にちうちそうがまえ)と呼ばれたお堀で、金沢城に近いお堀の内側が近江町市場、外側が青草辻でした。

官許の標柱は「むさし口」の横

近江町市場の関係者から聞いた話しですと、お堀の内側にあった鮮魚市場の近江町市場は女人禁制だったとのことです。そして、女性が魚を買い求めるようになったのは明治時代になってからでした。

その後、1904年(明治37年)に石川県から「金澤青草辻近江町市場」の名称で官許を受け、金沢市民の台所として発展していきました。

女性に大人気のイートインコーナー

近江町市場の見どころ #4
近江町市場の新しい楽しみ方「その場で食べる」

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新幹線で観光地化された近江町

2015年3月の北陸新幹線の開業によって、近江町市場は、地元の人たちの市場から観光客が集う市場へと大きく変わっていきました。

新幹線が開業する以前から、近江町市場は金沢有数の観光地として県外から多くの人が訪れていましたが、開業以降は飛躍的に観光で訪れる方が増えました。特に外国人観光客の増加は目を見張るものがありました。

また、全国メディアで紹介され、金沢観光の楽しみの一つとなった海鮮丼のお店には長蛇の列ができ、鮮魚店ではカニやノドグロをはじめ、カキ、エビ、ホタテ貝といった魚介類をその場で食べられるお店が増えました。

その一方で、観光客の増加に反比例するように、地元の主婦たちが「最近の近江町はゆっくり買い物ができんようになったね」とぼやきながら、少しずつ近江町市場を敬遠するようになっていきました。

海鮮丼のお店には長蛇の列ができます

GOTOで賑わった近江町も観光客激減

2021年の年初から、石川県の地元紙・北國新聞では「おみちょ 近江町市場300年」という特集連載が始まりました。ちなみに、この記事を書いている1月7日は連載の4回目でした。

連載記事の中に「新幹線ができてから、近江町の品揃えが観光客向けになった」という記述がありました。確かにノドグロの売り場の占有率が高くなったように思えます。実は金沢の家庭ではノドグロは滅多に食べません(笑)。

食べ歩き禁止の垂れ幕は観光客増の副産物

新型コロナウィルスの感染拡大によって観光客が激減した昨年4月ごろ、北國新聞に、近江町市場の鮮魚店の方からの「地元のお客様に来てほしい」というコメントが掲載されました。

それを受けて、ツイッターには、金沢の人たちからの「地元客をないがしろにしてきたのに、地元の人に来て欲しいとは何だ!」というネガティブなコメントを多く寄せられました。

300周年を迎えた今年。コロナ禍によって、近江町市場の人たちが地元客を大切にしなければならないことに気付いたのであれば、災い転じて福となすこともできるのではないでしょうか。

近江町市場の冬の主役は何と言ってもカニ

近江町市場の見どころ #6
お買い物せず歩くだけでも楽しい近江町市場

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

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